「個」の力で苦杯、分岐点のバトン技術 男子400リレー 世界陸上
◇陸上世界選手権(21日、東京・国立競技場)
◇男子400メートルリレー決勝6位=日本(38秒35)
3走の桐生祥秀がアンカーの鵜沢飛羽にバトンを渡した時点で、日本は8番手。必死に後を追ったが、トップの米国のアンカー、ノア・ライルズの背中は遠い。結局、金メダルの米国とは1秒06差の完敗だった。
4年前、バトンミスで途中棄権した国立競技場での苦い記憶を、完全には払拭(ふっしょく)できなかった。それ以上に、「個」の力を見せつけられ、メダルを逃した。
故障持ちのエース、サニブラウン・ハキームはこの日も選外で、予選と同じ布陣で臨んだ。
雨中の決勝。1走の小池祐貴はスタートからトップスピードに乗れない。「何とか速度を上げたけど……」と立て直す間もなく、4番手で2走・柳田大輝につないだ。
1、2走のバトン渡しはこの日も詰まったが、致命的なものではない。
主将で3走の桐生を襲ったのは痛恨のアクシデントだ。「右脚がつってしまった」と、安定感抜群のカーブでの走りは影を潜め、勝負は決した。
今大会と同じ会場で開かれた2021年の東京オリンピック。1、2走のバトンミスを当時も3走の位置から見つめたのが桐生だった。「僕の責任。なんと話していいか」と、またも国立で辛酸をなめた。
日本のリレーの生命線は01年に採用された「アンダーハンドパス」のまま変わらない。
渡す側が下からバトンを入れ、受け渡しの際に走る姿勢をあまり崩さない形で受けられるため、スピードに乗りやすい。
受け手がしっかり加速してからパスする「攻めのバトン」も海外勢との走力差を埋めるための有効策となったが、技術だけでは海外勢にあらがえなくなっている。
東京五輪後、22年世界選手権オレゴン大会は予選でバトンミスにより失格。23年世界選手権ブダペスト大会と24年パリ五輪はともに5位。特にパリ五輪はアンカーの4走に渡ったところまではトップだったが、最後はごぼう抜きされた。
パリ五輪後、日本陸上競技連盟強化委員会でアンダーハンドパスの見直しの可能性が話題になったこともあった。即座に却下され、今大会はアンダーハンドパスを使ったが、バトン技術は「出し切れるところまでいった」という意見もある。
表彰台は19年世界選手権ドーハ大会の銅メダルが最後。21年東京五輪以降、五輪と世界選手権を合わせて5大会続けてメダルを逃した。
短距離界の次代を担う柳田は言う。
「シンプルに走力が足りなかった」
個の走力という根源的な課題を突きつけられただけでなく、「お家芸」「伝統」とされたバトンパスを今後どうするか。分岐点にさしかかっている。【岩壁峻】
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