トランプ氏、マスク氏と決裂後初めて接触 保守活動家の追悼式典出席

2025/09/22 09:54 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米大統領は21日、西部アリゾナ州グレンデールで行われた保守活動家チャーリー・カーク氏(31)の追悼式典で、同席した実業家イーロン・マスク氏と握手して会話を交わした。マスク氏が5月末に政権を離脱して以降、対立が伝えられていた2人が公の場で再会するのは初めて。

 式典の途中、貴賓席にいたトランプ氏にマスク氏が近寄り、隣に着席すると笑顔で会話したり、トランプ氏がマスク氏の膝を軽くたたいたりする場面がテレビカメラに捉えられた。今後、本格的な関係改善につながるかが注目される。

 マスク氏は2024年大統領選でトランプ氏の勝利に巨額献金で貢献し蜜月関係を構築。政権発足に伴い新設された政府効率化省(DOGE)トップとして連邦政府の人員と予算の大幅削減に取り組んだが、テスラの業績悪化などを受けて政権を離脱。その後、トランプ氏肝煎りの大型減税を含む法律を繰り返し批判し、対立に発展した。

 バンス副大統領らが和解に向けて動くなどしたが、マスク氏が来年11月の中間選挙に向けて新党「アメリカ党」の結成を表明。共和、民主の2大政党が拮抗(きっこう)する中でキャスチングボートを握ることを狙った動きとみられ、両者の関係は冷え込んだままだった。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、カーク氏は生前、トランプ氏とマスク氏は「いずれ和解する」と語っていたというが、期せずして自身の追悼式典で2人が再会する形となった。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース