パレスチナを一斉国家承認でイスラエルに圧力 英カナダ豪ポルトガル

2025/09/22 09:11 

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 英国、カナダ、オーストラリア、ポルトガルの4カ国は21日、パレスチナの国家承認を発表した。主要7カ国(G7)での承認は英国とカナダが初めて。22日(日本時間23日未明)には国連本部でイスラエルと将来のパレスチナ国家が共存する「2国家解決」への道筋を話し合う首脳級会合が開かれ、フランスなども国家承認するとみられる。

 4カ国はイスラエルが9月中旬にパレスチナ自治区ガザ地区ガザ市への地上侵攻を開始したことなどを受けて承認に踏み切った。約150カ国が既に承認しており、今回の一斉承認でイスラエルへの圧力がさらに強まった。

 英国は7月下旬、ガザでの停戦合意などの条件が満たされなければ国家承認すると表明。英連邦(コモンウェルス)を構成するカナダ、豪州も追随していた。

 だが、イスラエルはガザ侵攻を続け、人道危機が深刻化。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でもユダヤ人の入植活動を拡大させ、パレスチナ国家の実現が危ぶまれているため、各国は正式承認に動いた。

 スターマー英首相は21日の声明で、承認の理由を「平和と2国家解決への希望をよみがえらせるため」と説明した。

 一方で、イスラエルや米国の「承認はハマスのテロに報酬を与えることになる」との批判を念頭に、「ハマスは(将来のパレスチナ)政府に役割を持たない」などと強調し、ハマス関係者に追加制裁を科す方針も示した。

 カナダのカーニー首相は「パレスチナとイスラエル双方の国家に平和な未来を約束するために協力する」と述べた。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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