女子選手の遺伝子検査「今後も続ける」 WA会長 世界陸上閉幕

2025/09/22 20:29 

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 陸上の世界選手権東京大会は21日、9日間の日程を終えた。

 今大会から公平性の確保を目的に女子種目出場選手を対象とした遺伝子検査が導入されたが、人権上の問題から懸念の声も出た。世界陸連(WA)によると、対象選手の100%が検査を受けた。

 WAのセバスチャン・コー会長は21日、閉幕に当たっての記者会見で「はっきり言っておく。検査は今後も継続される。見直すべき点もあるが、全体としては成功した運用だった」と述べた。

 フランスのように医療目的外での遺伝子利用を明確に禁止している国もある。コー会長は「国内法が最優先されることは受け入れなければならない」とし、フランス選手には同国の陸上競技連盟の協力を得た上で東京など国外で検査を行った。

 検査には、性別を巡る「知らないでいる権利」を侵害する危険性もはらむ。さらに、大会期間中には一部の選手から検査への疑問の声が上がった。

 しかし、コー会長は「疑問を持った選手はごくわずかだった。圧倒的多数の女子選手が支持し、多くの(国・地域の)連盟が検査の迅速化に協力してくれた」と正当性を改めて強調した。

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 大会最終日の21日は男子400メートルリレー決勝があり、日本(小池、柳田、桐生、鵜沢)は38秒35の6位。3大会ぶりのメダル獲得はならなかった。

 日本勢のメダルは競歩での銅メダル2個。入賞は過去最多の前回大会に並ぶ11だった。

 期間中の入場者数は目標の50万人を上回る61万9288人。コー会長は「9日間、素晴らしいプロジェクトだった。日本国民のスポーツへの熱狂をもう一度結合させた大会だった」と語った。【岩壁峻】

毎日新聞

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