自民総裁選、複数候補が早期解散に否定的 野党連携を意識か

2025/09/22 17:33 

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 22日に告示された自民党総裁選で多くの候補が、首相に就任した場合の早期の衆院解散に否定的な考えを示している。7月の参院選で大敗した与党に対する厳しい世論や野党との連携も意識し、解散論を「封印」しているとみられる。

 高市早苗前経済安全保障担当相は22日、国会近くの神社で必勝祈願をした後、早期の解散について記者団に問われ、「それは考えられないことだ。物価(高)対策、急いでやれることがたくさんあるので、しっかりと国会で審議するのが最優先だ」と否定した。

 小泉進次郎農相も21日、さいたま市で記者団に「すぐに解散するという状況にはない。求められるのは更なる政治空白より、政策を形にすることだ」と述べた。小林鷹之元経済安保担当相と茂木敏充前幹事長も同様に早期解散に否定的な見解を示している。

 毎日新聞が20、21日に実施した全国世論調査で自民の政党支持率は19%と依然低迷しており、早期の衆院解散・総選挙で与党が過半数を回復できる見通しは立っていない。昨年10月の衆院選からわずか1年で解散に踏み切れば、更なる「政治空白」批判を受けるリスクもある。また、給付付き税額控除など野党寄りの公約を打ち出した候補者もおり、野党との連携がほごになりかねない早期解散を口にしにくい事情もあるようだ。

 解散について林芳正官房長官は「いつごろがいいかということは、総裁選の中で軽々に議論すべきではない」などと述べるにとどめている。【畠山嵩、竹内望】

毎日新聞

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