明石市奨学金 財政難で定員削減が一転復活、増額補正へ 繰越金活用

2025/09/22 18:58 

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 今年度から財政難を理由とする予算削減に伴い200人だった定員を150人に減らした兵庫県明石市独自の給付型奨学金について、市は50人分の枠を復活させることを決めた。復活を望む声が関係者から寄せられたため。カット分の高校入学準備金の総額1500万円の補正予算案を9月議会に追加提案した。

 制度は新型コロナウイルス下の子育て支援策で、泉房穂前市長(現参院議員)時代の2020年度に開始。上限30万円の準備金に加え、在学時支援金(原則3年間)も支給する。毎年度定員を超える希望者が集まる。

 25年度の当初予算で市は「限りある財源を有効活用するため」として定員を減らした上、支援金も月5000円と半減した。市議会で予算は可決したものの、議員から疑義の声もあった。一方で7月末の締め切りまでに269人の応募があった。

 市こども局によると有識者を含む8月の選考委で、世帯収入や家庭の状況などを総合的に審査した結果、例年同様200人が支給対象と判断された。委員からは「コロナは収束しているが物価高騰は続いている。困っている世帯にしっかり支援を」などの意見が出た。財源は前年度繰越金を充てる。

 丸谷聡子市長は19日の本会議で議案上程後の一般質問に「一人一人の困窮に寄り添った審査の結果だと報告が上がってきたので私としても(50人分の枠復活を)決定した」と答えた。【入江直樹】

毎日新聞

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