首相指名巡り与野党の言動活発化 公明は連立について党内協議へ

2025/10/08 20:55 

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 公明党の斉藤鉄夫代表は8日配信のユーチューブ番組で、自民党との連立政権の継続を巡る協議が不調に終わった場合に関し、「連立をしないということは(臨時国会の首相指名選挙で)高市早苗と書かないということだ」と述べた。近く召集される臨時国会での首相指名選挙を巡り、与野党の言動が活発化している。

 ◇公明は企業献金の規制強化など要求

 公明側は、靖国神社参拝、外国人政策、政治とカネの問題で懸念を示しており、自公両党は連立政権の継続に向けて協議を続けている。7日の党首会談でも政治とカネについて懸念が解消されなかった。

 斉藤氏は番組で、企業・団体献金の規制強化に関し、「少なくとも(政治資金を)透明にするために受け皿を一定程度絞っていくのは当然努力すべき目標ではないか」と指摘。次回の自公協議に向けて、「連立政権をわだかまりなく組んでいける答えが来ることを期待している」とも語った。

 公明は9日、幹部による常任役員会や党所属議員が出席する全体会合などを開催する。同日夜には各都道府県本部の幹部による「全国県代表協議会」を開き、自公連立のあり方について協議する方針だ。

 ◇野党は玉木氏で結束?

 一方、立憲民主党の安住淳幹事長は8日、国民民主党の榛葉賀津也幹事長と国会内で会談し、首相指名選挙で野党候補を一本化すべきだとの認識を伝えた。そのうえで、国民民主の玉木雄一郎代表も一本化の有力な候補だと伝えたが、榛葉氏は会談後、記者団に否定的な認識を示した。

 会談後、安住氏が記者団に明らかにした。安住氏は会談で、自公連立協議が難航中だとの認識を示したうえで、「主要な野党で統一候補を考えることをぜひ検討願いたい。その際、我が党も野田(佳彦代表)にはこだわらない」と伝えた。玉木氏への一本化について「皆さんがそれでまとまるのであれば、我々としても有力候補として考える」とも述べた。安住氏の提案には自民と国民民主の接近をけん制する狙いがあるとみられる。

 一方、榛葉氏は、記者団の取材に「(会談で安住氏に)『党内も全部コンセンサスとれてるんですか』と言ったらどうもそうではない」と説明。「冗談半分で言う話ではない。気概のある話かと思ったが拍子抜けした」と語った。首相指名では1回目も決選投票も、玉木氏の名前を書く意向に変わりはないという。

 臨時国会では、衆参両院の投票で首相を選ぶが、自公は衆参で過半数を割っており、いずれも上位2人による決選投票となる可能性がある。決選投票では、過半数ではなく多数を得た議員が首相に指名される。

 議決が優先される衆院の会派別に見ると、立憲は148議席、日本維新の会は35議席、国民民主は27議席。3党合計は210議席で、自民の196議席を上回る。【野間口陽、安部志帆子、池田直】

毎日新聞

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