「この大学に来なかったら…」 藤原聡大、ドラフトでつかんだ夢

2025/10/23 22:08 

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 「この大学に来なかったら、プロ野球選手になることはできなかった」

 23日にあったプロ野球のドラフト会議で、京都市中京区の花園大の藤原聡大(そうた)投手が、東北楽天から1位指名を受けた。同校初のプロ野球選手が、1位指名という快挙とともに誕生し、喜んだ。

 この日は注目度の高さゆえか、少し余裕も感じられるような笑顔で会場に入った。しかし指名前日の夜は「寝られませんでした」と明かしたように、元々は心配性だという藤原。ドラフトが始まり、指名選手の名前が読み上げられるにつれ、顔色がこわばった。

 運命の瞬間は、早々に訪れた。

 「第1巡選択希望選手、東北楽天、藤原聡大。花園大学、投手」

 名前が呼び上げられると、会場の熱気は最高潮に達した。同校初のプロ野球選手は、ようやく安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 身長177センチ、体重75キロと細身ながら、最速156キロの直球が自慢の剛腕。水口高(滋賀)時代は無名の存在だったが、大学で球速を13キロも上げ、見事に夢をつかみ取った。

 大学での成長は「自分自身を過信せず、常に足もとを見つめて練習を積み重ねてきた結果」。覚悟を決めて信念を貫く強さが自信となった。

 「自分はこの大学に来なかったら、プロ野球選手になることはできなかった」。指名後は感謝の気持ちも忘れなかった。

 プロでの目標は160キロと、「任された場所でタイトルをとれる選手になる」。着実に成長してきた右腕は、大学での自信を胸に、東北へと羽ばたく。【資野亮太】

毎日新聞

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