高木美帆、10連覇も「危機感というか…」 スケート全日本距離別

2025/10/26 20:42 

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 ◇スピードスケート全日本距離別選手権(26日、長野・エムウェーブ)

 ◇女子1500メートル 高木美帆(TOKIOインカラミ)=1位、1分55秒85

 大本命の1500メートルで10連覇の偉業を達成しても、高木美帆選手(TOKIOインカラミ)の表情は曇っていた。「危機感というか、このままではいけないのかなって」。レース後に声を絞り出した。

 勢いよく加速し、最初の300メートルを全体1位の25・16秒で通過するまでは良かった。その後も400メートルごとのタイム全てでトップをマークしたものの、終盤で大きくペースダウン。1分55秒85でフィニッシュして1位となったが、同組の佐藤綾乃選手(ANA)にはわずか0・12秒差まで詰め寄られた。

 1999年から9連覇していた田畑真紀さんの最長記録を抜いた。だが、2020年以降のこの大会で最も悪いタイムとなり、「課題が残るレース。悔しい気持ち」と笑顔はなかった。

 1500メートルは世界記録を保持しているが、オリンピックでは金メダルをつかめておらず、「私の選手生活の中心にあるもの」という。約100日後に迫ったミラノ・コルティナ冬季オリンピックを見据える上で、不安や焦りが募る。

 だが、悲観ばかりではない。レースでのスタート直後の加速は取り組んできた成果が出たという。課題はそのスピードを維持する持久力や体勢の安定感だ。「今そこに向き合えるのは大きい。めげずにいたい」と話した。

 「ミラノに向かうまで一筋縄ではいかないと実感しているが、逃げずに向き合いたい」。日本女子のエースはもがき続ける。【森野俊】

毎日新聞

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