日経平均株価、史上初の5万円台 高市政権への期待と米中摩擦後退で

2025/10/27 09:17 

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 週明け27日午前の東京株式市場で日経平均株価(225種)は急伸し、前週末終値からの上げ幅が一時1000円を超え、5万円台に乗せた。日経平均が5万円を超えるのは初めて。高市早苗政権の経済政策への期待に加え、米国市場の株高や米中貿易摩擦の懸念が後退したことなどが好材料となり、歴史的な節目を突破した。

 24日の米ニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が最高値を更新し、終値で初めて4万7000ドル台をつけた。世界的に先端半導体などAI(人工知能)需要が好調なほか、9月の米消費者物価指数が市場予想を下回ったことでインフレ(物価高)懸念が後退。28~29日に米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げするとの見方が株高につながった。

 27日の東京市場もこの流れを引き継ぐ形となった。午前10時現在の日経平均株価は、前週末終値比793円24銭高の5万92円89銭。為替は1ドル=153円台前半で推移している。

 高市首相は積極的な財政政策や金融緩和を支持する方針を掲げる。週末の報道各社の世論調査で高市内閣の支持率は高水準で、投資家の期待が高まっている。また、26日の米中両政府の閣僚級協議では、100%の対中関税発動を見送る方向となったことも追い風になった。

 日経平均は2024年2月にバブル期の1989年につけた最高値を約34年ぶりに更新。翌月には初めて4万円の大台をつけた。トランプ米政権の関税強化策の影響で今年4月に3万1000円台まで下落する場面もあったが、そこから半年間で2万円近く上昇したことになる。「急速な株高で、やや過熱感があるのではないか」(アナリスト)との指摘も上がる。【古屋敷尚子】

毎日新聞

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