鈴木農相「米価、値下がり当面難しい」 流通コスト圧縮に期待示す

2025/10/27 12:25 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 鈴木憲和農相は27日午前に出演した民放番組で、高騰している米価について「当面正直言ってすぐに下がるのは難しい」との認識を示した。農協などの集荷業者が生産者から引き取る金額が上昇しているため、「(集荷から)先のコストをいかに削減するか。まだ工夫の余地はある」と述べ、民間業者による流通コスト圧縮に期待感を示した。

 鈴木氏は「ずっとコメの値段が高止まりしていればいいと思っていない」と強調。政府の対策として、高市新政権が検討している補正予算で自治体向けの「重点支援地方交付金」を拡充し、自治体の判断で実施する「お米券(の配布)が有効だ」と持論を展開した。

 また鈴木氏はコメの増産にかじを切った石破前政権から農政を方針転換するのか問われ、「元に戻したいとは思っていない。私は先が見通せる農政、来年だけではなくて、10年先もつくっていくことをやりたい。もっといいふうに変える」と力説した。

 一部で選挙での農業票を意識した農家偏重と指摘されていることについては「守るべきは、この国の食糧生産だ。私は票のために、何かをするということは一切しない」と断言した。

 さらに昨年11月まで1年近く副農相を務めた責任から、昨年来のコメ不足への対応を反省し、政府備蓄米を放出すべきだった時期にも言及。鈴木氏は「昨年の夏の段階で出すべきだった。もう二度と、店頭にお米が並ばないという事態にならないようにやっていくので見ていてほしい」と理解を求めた。【中津川甫】

毎日新聞

政治

政治一覧>