ベッセント米財務長官は２６日、１１月１日に発動予定の１００％の対中追加関税が「回避される」との見通しを示した。米中対立激化の発端となった中国によるレアアース（希土類）の輸出規制強化については「再検討のため１年間延期するだろう」と述べた。今後は四半期ごとに中国と協議する場を設ける予定だという。

　２５、２６日にマレーシアで実施した米中閣僚協議後、米ＡＢＣテレビなどのインタビューに答えた。ベッセント氏は３０日に韓国で開催される米中首脳会談に向け、「重要な枠組みで合意した。非常に良い会合だった」などと語った。最終的な条件はトランプ大統領と中国の習近平国家主席の会談で協議される。

　ベッセント氏によると、中国による米国産農産物の購入拡大でも合意した。中国は足元で米国産大豆の購入を停止しているが、「合意内容が公表されれば、大豆農家は今季だけでなく今後数年にわたって非常に満足するだろう」との認識を示した。また、合成麻薬フェンタニルの米国への流入で支援を開始する方向で一致した。

　また、ベッセント氏は米ＮＢＣテレビのインタビューでは貿易分野以外に「地球規模の平和計画が話し合われるだろう」と言及。ロシアによるウクライナ侵攻にも議論が及ぶとの見方を示した。【ワシントン浅川大樹】