J1鹿島、試合を決めた圧巻の4分間 9年ぶりVへ残り2試合

2025/11/08 22:55 

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 ◇○鹿島アントラーズ2―1横浜FC●(8日・メルカリスタジアム)

 鹿島のMF知念慶は下位で苦しむ横浜FCに対し、一筋縄ではいかない展開を予想していた。

 「(自陣の)ゴール前を固めてくる相手。簡単には崩せない。どのチームも(前半に横浜FCが)元気なうちは苦戦していた」

 実際に前半、鹿島は攻めあぐねた。ボールを保持する時間こそ長いが、横浜FCの守備にズレを生じさせるほど効果的な崩しができない。プレーが中断する度、選手同士が眉間(みけん)にしわを寄せ、語気を強めて意見を交わし合う。焦りがにじみ出ていた。

 ハーフタイムに鹿島の鬼木達監督が出した指示は「1、2タッチで、判断早く」だった。

 後半はテンポアップを意識した攻撃で、横浜FCの守備を出し抜き始めた。17分には縦パスを受けたFW田川亨介が1タッチ目で相手マークを振り切って右から中へ切り込み、2タッチ目でボールを送る。FWレオセアラが右足ダイレクトで仕留め、均衡を破った。

 20分にはDF小川諒也の右CKに知念が頭で合わせ、すぐさま追加点。この4分間で試合を決めた。

 レオセアラは「チーム全体で規律正しくできたことで、勝ち点3を手に入れた」。これまで先発の機会が少なかった田川や小川が得点に絡み、選手層の厚さを結果で示した価値も大きい。

 J1残留のために背水の陣で向かってきた横浜FCを退け、残り2戦。9年ぶりのリーグ優勝へ、カウントダウンに入っている。【高野裕士】

毎日新聞

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