5分で振り返る2025年スポーツ 大谷、山本の活躍に相撲昇進ラッシュ

2025/12/31 17:30 

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 2025年のスポーツ界は、日本選手が米大リーグ(MLB)を盛り上げ、大相撲では横綱、大関への「昇進ラッシュ」に沸いた。

 MLBのワールドシリーズ(WS)で2連覇したドジャースでは、大谷翔平が投打の「二刀流」を復活させて活躍し、山本由伸もWSで最優秀選手(MVP)に輝く快投を披露した。

 東京では世界陸上とデフリンピックが開かれ、スポーツを盛り上げた。

 ◇MLB 大谷、3年連続MVP

 MLBは、WSを2連覇したドジャースの大谷翔平が今年も席巻した。

 シーズン途中から投打の「二刀流」が復活。打者としては自己最多の55本塁打を放ち、打率2割8分2厘、102打点。投手としては14試合で47回を投げ、1勝1敗で防御率2・87。前所属のエンゼルス時代から3年連続でレギュラーシーズンのMVPを獲得する活躍で、ナ・リーグとWS連覇に貢献した。11月下旬には2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場も表明した。

 WSでは同僚の山本由伸がMVP。第2戦で完投勝利し、第6戦も先発して勝ち投手。第7戦では九回途中から「中0日」で登板して勝利し、チームの4勝中3勝を挙げた。

 また、日米通算4367安打のイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が日米で野球殿堂入りした。米殿堂に日本選手が入るのは史上初の快挙。【岸本悠】

 ◇大相撲 豊昇龍、大の里 横綱に

 大相撲は上位陣の顔ぶれが様変わりした。

 初場所では3年あまり一人横綱だった照ノ富士(現伊勢ケ浜親方)が場所中に引退し、優勝は大関の豊昇龍だった。豊昇龍は初場所後に横綱へ昇進し、32年ぶりの「横綱空位」も回避された。

 春場所と夏場所は大の里が大関で連覇し、横綱に。初土俵から所要13場所での横綱昇進は、年6場所制では最速記録となった。

 名古屋場所は琴勝峰が平幕優勝。秋場所は大の里が横綱で初優勝し、日本出身力士では貴乃花以来28年ぶりとなる年3場所制覇も果たした。

 九州場所はウクライナ出身の安青錦が初優勝し、来年初場所は新大関で迎える。

 一方、6月には歴代最多45回の優勝を誇る元横綱・白鵬の宮城野親方が日本相撲協会を退職した。

 10月には34年ぶりのロンドン公演が行われた。【飯山太郎】

 ◇ゴルフ 日本女子、5大大会制覇

 ゴルフは、2年連続で日本勢女子がメジャー5戦中2戦を制し、今年も活躍が光った。

 4月のシェブロン選手権は、日本ツアー6勝で米ツアー未勝利だった西郷真央が初優勝。この大会を日本勢が制するのは初めてで、日本勢女子は5大大会全制覇を果たした。

 8月のAIG全英女子オープンは、山下美夢有(みゆう)が制した。2022、23年と日本の年間女王に輝いた山下も米ツアー初勝利。日本勢女子のメジャー制覇は通算で6人(7度)となった。11月には山下が昨季の西郷に続き、米女子ツアーの新人賞も手にした。

 日本ツアーは年間女王が佐久間朱莉、男子の賞金王が金子駆大(こうた)。ともに今季ツアー初勝利を挙げた23歳の若手が輝いた。【飯山太郎】

 ◇世界陸上 デュプランティス世界新

 陸上の世界選手権は9月、34年ぶりに東京で開催された。男子棒高跳びではアルマント・デュプランティス(スウェーデン)が6メートル30の世界新記録で大会3連覇を果たした。

 日本勢は女子20キロ競歩で藤井菜々子(エディオン)が日本女子競歩初の表彰台となる3位に入るなど競歩で2個の銅メダルを獲得した。入賞は過去最多タイの11だった。

 大会は盛況で、計9日間の入場者数は目標の50万人を上回る61万9288人だった。【岩壁峻】

 ◇プロ野球 タカ、5年ぶり日本一

 プロ野球はパ・リーグ連覇のソフトバンクが2020年以来5年ぶり12回目の日本一に輝いた。

 シーズン最終盤まで日本ハムと競り合い、クライマックスシリーズで日本ハムに勝利。日本シリーズではセ・リーグ覇者の阪神を4勝1敗で退けた。故障者が続出し4月に単独最下位に沈んだが、生え抜きの中堅が台頭して盛り返した。

 投打に充実した阪神はペナントレースを独走。9月7日に2リーグ制で最も早く優勝を決めた。【林大樹】

 ◇サッカー 町田、天皇杯で初優勝

 サッカーは、11月の天皇杯全日本選手権決勝で町田が神戸を3―1で破り、初優勝した。クラブ創設37年目で国内主要タイトル初獲得。2014年に始まったJ3を経験したチームの天皇杯制覇は初めて。

 J1リーグ戦は鹿島が9年ぶりに優勝した。最多を更新する9度目の制覇。就任1季目の鬼木達監督はJ1の監督として歴代最多5度目の頂点で、複数クラブをJ1優勝に導いた初の監督となった。【高野裕士】

 ◇デフリンピック メダル、最多更新51個

 聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京デフリンピック」が11月、日本で初めて開催された。21の競技に約3000人が最終エントリーした。

 男女計約270人が出場した日本は、競泳男子の茨(いばら)隆太郎(SMBC日興証券)が金を含む7個のメダルを獲得。バスケットボール女子、バレーボール女子なども金メダルに輝いた。

 日本は51個(金16、銀12、銅23)のメダルを獲得し、過去最多だった前回2022年ブラジル大会の30個を更新。次回29年の開催地はアテネに決まった。【川村咲平】

 ◇高校野球 夕方に開会式、2部制拡大

 全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)では暑さ対策として初めて夕方に開会式を実施した。

 前回初導入した、暑い時間帯を避ける朝夕の「2部制」は一部の1日4試合日に拡大したが、試合終了が確認できる中で史上最も遅い午後10時46分となる日があった。沖縄尚学が初優勝した。

 春の選抜大会は横浜(神奈川)が19年ぶり4回目の優勝。9月にはU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)が沖縄県で開かれ、日本は準優勝だった。【長宗拓弥】

毎日新聞

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