禁止の追悼ヘルメット、ウクライナ選手が使用継続 大統領も支持

2026/02/12 08:38 

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 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのスケルトン男子ウクライナ代表、ウラジスラフ・ヘラスケビッチ選手は11日、国際オリンピック委員会(IOC)から使用を禁止された、同胞を追悼するヘルメットを練習で再び使った。12日のレース本番でも着用する意向を示した。ロイター通信などが報じた。

 このヘルメットは、ロシアによる侵攻で命を落としたアスリートたちの肖像画が描かれており、ヘラスケビッチ選手は9日の練習で使用。IOCは10日、「五輪の会場におけるデモや政治的、宗教的、人種的な宣伝活動」を禁じる五輪憲章に違反しているとして、使用を認めないと発表した。

 だが、ヘラスケビッチ選手はインスタグラム上などで反発している。投稿では、今大会の開会式でイスラエルのスケルトン選手が、1972年のミュンヘン五輪でテロリストに殺害されたイスラエル選手らの名前を記したキッパ(ユダヤ教徒の小さい帽子)をかぶって入場したと説明。IOCの決定を「二重基準」と批判し、追悼ヘルメットの使用を許可するよう求めた。

 ウクライナのゼレンスキー大統領も9日、X(ツイッター)で「我々の苦闘の代償を世界に思い起こさせてくれたことに感謝する」とヘラスケビッチ選手に謝意を示し、「不適切でも、『スポーツイベントにおける政治的デモ』と呼ぶべきものでもない」と主張した。

 ヘラスケビッチ選手が実際に本番でも追悼ヘルメットを使えば、失格となる可能性もある。IOCは、追悼の意を表すことには理解を示し、失格を避けるための代替案として、ヘルメットはレースの前後に掲げ、レース中は黒い腕章を着用することを提案している。【ミラノ福永方人】

毎日新聞

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