記録は幻、でも記憶残した大飛行 二階堂蓮「This is オリンピック」

2026/02/17 11:11 

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 まさかの結末だった。ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで初めて実施された16日のノルディックスキー・ジャンプの男子スーパー団体。日本は最終3回目に二階堂蓮選手の活躍で一時2位に浮上したが、突然の大雪で競技は打ち切りになった。2回目までの記録で順位が確定し、結果は6位。歓喜と困惑が入り乱れる会場で、幻の大ジャンプを飛んだ二階堂選手は言った。「This is オリンピック」

 明るい兆しが見えた直後だった。8チームが進出した3回目の途中からちらつき始めた雪は、あっという間に大粒の雪に変わった。ジャンプ台は白くかすみ、スタートゲートで待機する選手の姿も見えなくなった。

 一時中断を挟み、ポーランドの選手が飛んだものの、再び中断。数分後、会場の一角から歓声が沸いた。2回目までの成績で最終順位が確定し、メダルが決まったオーストリアやノルウェーの選手や観客たちからだった。小林陵侑選手を含め残るジャンパーは3人での決定に、一部からはブーイングも起きた。

 日本は2回目を終えて6位と苦しい展開だった。迎えた3回目。二階堂選手は138・5メートルの大ジャンプを見せた。テレマークの後には胸に両手を当て、喜びをあらわにするように左拳を握りしめた。

 14日の個人ラージヒルで銀メダルを手にしたものの、試合後は目を赤くして「悔しい」と口にしていた。今大会最後のジャンプを成功させたが、記録は幻になった。

 一方の小林選手はスタートゲートの横で肩に毛布を掛け、順番を待った。二階堂選手のジャンプ、そして大雪。整ったメダルへの舞台に「こういうシチュエーションねと思って、飛ぶ気満々だった」と悔しがった。

 当初は3回目の1人目までの記録で順位が決まったと思ったという。リフトを降りるときにスタッフから見せてもらい、最終順位を知った。「銀メダルかと思っていた。(中止で)落とされた次にまた落とされたなという感じだった。僕の力じゃどうすることもできない。決まったことはもう決まったことなので」と淡々と振り返った。

 順位が決まってまもなく雪はやんだ。「4年に1度の対戦ということで、いろんな思いを背負ってここに立っている人が多い。それだけにいろんなことが起こりやすいのかな」と二階堂選手。初出場ながら銀と銅計3個のメダルを獲得し、小林選手とは前夜「ぶちかましましょう」と金を目指し臨んだ試合だった。それでも「これがオリンピック。今日は予想外だったが、4年後に気持ちを切り替えて再スタートできれば」と最後まで落ち着いた口調で語った。【プレダッツォ椋田佳代】

毎日新聞

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