ソフトバンク近藤健介・急逝の兄にささげる涙の2ラン プロ野球

2026/05/08 23:16 

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 ◇○ソフトバンク6―5ロッテ●(8日・みずほペイ)

 こみ上げる思いから、美しい放物線を見上げることすらできなかった。

 場内が歓喜に揺れる中、ダイヤモンドを一周するソフトバンク・近藤健介の目は確かに潤んでいた。三回に放った特大の2ランは、近藤にとって喜び以上に特別な思いがあったからだ。

 2死一塁で2球目の変化球を振り抜いて右翼席へ運んだ。手応えも完璧だっただろう「飛距離130メートル」の一発。だが笑顔はなかった。

 打った瞬間にはうつむくように下を向いた。涙をこらえながらホームインすると、すぐに両手を合わせた。

 訳があった。6日に6歳年上の兄・洋介さんが38歳の若さで急逝した。

 野球好きで、指導にも携わっていた。「形は違うけど、野球界に貢献していた。本当に野球愛の強い兄でした」

 シーズン途中に悲報は届いた。それでも両親からは「兄ちゃんも試合に出てほしいと思うから行ってこい」と伝えられた。

 あふれる思いを胸に臨んだ一戦で、兄にささげるアーチをかけ、「見てくれていたかなって思います」。

 リーグ3連覇を目指すチームのため、そして兄のため。近藤にとって特別なシーズンは続く。

 「自分のできることを、勝ちにつながるように頑張っていきたいです」【牧野大輔】

毎日新聞

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