21分に響いたチャント ポルトガル亡き戦友と共に W杯
◇サッカー・北中米W杯1次リーグK組(17日・ヒューストン競技場)
◇△ポルトガル1―1コンゴ民主共和国△
スタジアムを埋め尽くす「7」。ポルトガルサポーターのみではなく、他国のファンも世界的スターを一目見ようとロナルドのユニホームに身を包む。その中で「21」の背中を見つけた。
背中の名前は現チームで付けているR・ネベスではなく「Jota」。昨年7月、交通事故により亡くなったジョタさんのユニホームだった。妻と観戦に訪れた57歳の男性は「ポルトガルの選手は勝利を彼にささげたいと思っている。一番の共通のテーマ。一緒に戦っている」と話す。
ジョタさんは得点力の高いアタッカーとして元日本代表の遠藤航も所属する英プレミアリーグ・リバプールで活躍した。昨年7月、弟とともに交通事故に遭い、28歳の若さで亡くなった。
サポーターの男性は「彼はものすごく良い選手だったし、とにかく謙虚な男だった。その人柄が本当に愛されていた。家族思いでね……、彼にはまだ小さな子どもが3人いたんだ」と神妙な面持ちで話した。
コンゴ民主共和国との試合前の国歌斉唱では、終盤に大型スクリーンにジョタさんの写真が白黒の背景とともに映し出された。ジョタさんの背番号と同じ前半21分にはサポーターが「アレー(行け)ディオゴ・ジョタ」とチャントを歌った。
前日の記者会見で、フェルナンデスは「彼に対する良い思い出ばかりがあふれてしまう。彼はいつでも、そして今でも私たちのグループの一員。彼だけでなく、私たちは彼の兄弟の思いもここに連れてきている。なぜなら、私たちは忘れるわけにはいかないから」と、とつとつと話した。
試合は開始早々にJ・ネベスのゴールで先制したが、その後は思うように攻撃を組み立てられず、格下相手に引き分けた。それでも下を向いてはいられない。大切な仲間とともに、歓喜の瞬間を信じて進む。【ヒューストン生野貴紀】
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