< >吉良大弥、プロ5戦目で世界王者 最速タイ、完璧「一発」で奪取

2026/09/02 21:10 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇ボクシング WBAライトフライ級王座決定戦(2日、横浜BUNTAI)

 ◇○吉良大弥(志成)―カルロス・カニサレス(ベネズエラ)●

 派手で、強烈で、完璧な一発だった。日本男子最速タイのプロ5戦目で世界王座を獲得した吉良。七回、左フックが火を噴いた。

 大振りを狙うカニサレスの動きを冷静に見極めた。ガードが空いた瞬間を逃さず宝刀を振り抜くと、次の瞬間、カニサレスは糸が切れたようにリングにあおむけに倒れ込んだ。

 「見ているより楽な展開ではなかった。体力的にどうかなと思い、中盤に決めに行こうと思った」と吉良。そう振り返ったが、三回にも左フックのカウンターでダウンを奪うなど、攻守で格の違いを見せつけての世界戴冠となった。

 全国高校総体優勝などアマチュアで実績を残し、東農大を中退してプロに転向した。

 陣営関係者が「ジムに入った頃から必ず世界チャンピオンにすると決めていた。本当は(最速記録を更新する)プロ4戦目で世界戦をやりたかった」と話すほどの逸材だ。

 引き出しの多さとクレバーな戦いぶりは、大学とジムの先輩で世界4階級制覇の井岡一翔と重なる。リングサイドで見守った井岡も、世界王者のベルトを初めて巻いたのはプロ7戦目だった。

 吉良は「この試合に勝つことだけを目標にしていたのでうれしい」と頰を緩めた。偉大な先輩を超えた新王者が、輝かしいキャリアに向けての一歩を踏み出した。【高野裕士】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>