「ハンバーガーリーグ」から変化 関係者語るマイナーの育成環境

2026/10/14 17:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日米で進路が揺れる最速157キロ右腕の決断に注目が集まる。

 昨春の選抜高校野球大会の優勝などに貢献した神奈川・横浜高の織田翔希投手(18)は15日、同校で記者会見を開き、自らの進路について語る。

 ドラフト1位候補の高校生が日本のプロ野球を経ず、直接大リーグ入りとなれば初となるが、現行の制度で25歳未満はマイナー契約からのスタートとなる。その環境はどんなものなのか、米国への野球留学や大リーグ挑戦を支援する株式会社「IAA Sports Management」の渡辺龍大代表に聞いた。

 大リーグは、傘下にメジャーに近い順に3A、2A、1Aなど選手のレベルごとにチームを抱える。日本の高卒ルーキーの場合、一般的には1Aからキャリアが始まる。

 ルーキーたちが集まる施設はさまざまあるが、昨季大リーグのワールドシリーズを2連覇したドジャースの場合、米アリゾナ州フェニックスの郊外に広大な施設がある。球団のホームページでは「13面の野球場、そして通常の半分程度の野球場が三つ。メインスタジアムには1万3000人のファンを収容できる座席がある」と紹介している。

 規模だけでなく、身体機能を測定するための設備も充実している。例えば、球の回転数など投球のデータを計測できる機材「トラックマン」や、「フォースプレート」と呼ばれる測定器では、選手の投球や打撃の際の出力を測定し、自身に足りない力を数値化して知ることができる。ハイスピードカメラでリアルタイムでの投球や打撃の動作解析などもして、最先端の機器が集結する。

 充実した設備を売りに近年、急速にアジア圏へのスカウトに力を入れている。トレーニング法についてはデータが豊富な米国が進んでおり、日本人の育成世代の高校生や大学生らにアピールする。渡辺代表は「大リーグのスカウトはドミニカやベネズエラからマーケットを目当てにアジアにシフトしている」と話す。

 かつては待遇がメジャーと比べると圧倒的に悪く、食事などが質素だったことから「ハンバーガーリーグ」とやゆされていた。しかし、最近はマイナーの選手たちを取り巻く環境も変化している。

 米大リーグ機構(MLB)と選手会は、2022年シーズンから、マイナー契約の選手の住宅補助などを取り入れる制度の導入に合意した。

 渡辺さんは「大リーグでは選手会が特に選手を守ろうとする意識が強く、マイナーリーグの環境自体も変わっている」と話す。

 30球団ある中で、日本人の受け入れ態勢が万全なのはドジャースだという。渡辺さんは「(マイナーでも)日本人のスタッフもいて、食事もおいしいと聞く。ネームバリューだけではなく、サポート体制が整っている」と話す。

 弱肉強食のイメージが強い米大リーグだが、今は育成にも力を入れている。【高橋広之】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>

写真ニュース