公立学校教員の採用倍率、過去最低3.2倍 「質の低下」懸念強まる
2024年度に採用された公立学校教員の選考試験の倍率が前年度比0・2ポイント減の3・2倍で過去最低となったことが26日、文部科学省の調査で判明した。小学校の採用倍率が最も低く、2・2倍と5年連続で過去最低を更新した。倍率の低下は教員の質の低下につながるため、文科省は働き方改革の加速や処遇改善を進める方針だ。
全国68の都道府県・指定都市教育委員会などによる24年度採用選考(実施は23年度)の状況を取りまとめた。小中高校、特別支援学校などの受験者総数は11万5619人で前年度比5344人減、採用者総数は3万6421人で同440人増だった。
倍率の低下は7年連続。試験区分別の倍率は、小学校2・2倍(前年度比0・1ポイント減)▽中学校4・0倍(同0・3ポイント減)▽高校4・3倍(同0・6ポイント減)▽特別支援学校2・2倍(同0・1ポイント減)――など。
採用倍率は低い順に、小学校で熊本県、鹿児島県、熊本市1・2倍▽青森県、福島県、福岡県、佐賀県、長崎県、宮崎県1・3倍▽秋田県、山形県、山梨県、山口県、大分県1・5倍。中学校は、佐賀県1・6倍▽東京都1・8倍▽福岡県2・0倍――だった。
文科省は倍率低下の背景に、定年を迎えた団塊世代の大量退職などに伴う採用者数増加と受験者数の減少があるとし、今後数年は同様の傾向が続くとみている。
受験者数の内訳では、既卒者が小学校1万8593人(前年度比2273人減)、中学校2万3579人(同1956人減)、高校1万4543人(同1126人減)と新卒者よりも下げ幅が大きい。従来は大学卒業後に臨時的任用教員や非常勤講師として働きながら正規教員を目指すケースも多かったが、新卒時など早期に正規採用されやすくなったことが要因という。
一方、中高では小学校に比べて新卒者の受験者数が中長期的には減少傾向にあり、企業の採用早期化により民間企業に流れている可能性がある。各自治体は大学3年時にも1次選考を受験できるようにしたり、社会人特別選考の受験資格を緩和・拡充したりと工夫をしているが、倍率の改善にまでは至っていない。
文科省の担当者は「各自治体を後押しするとともに、教員の働き方改革の加速や処遇改善などを進めて教職の魅力を高め、教員志願者を増やしていきたい」としている。【井川加菜美】
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