防衛費8.7兆円を計上 11年連続で過去最大 25年度予算案

2024/12/27 10:10 

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 政府が27日に閣議決定した2025年度予算案は、一般会計の歳出総額が過去最大の115兆5415億円になった。歳出の3割を占める社会保障や拡大が続く防衛、石破茂首相が注力する地方創生など焦点となった分野はどんな予算になったのか。

 防衛関係費(米軍再編経費を含む)には、11年連続で過去最大となる8兆7005億円(前年度当初予算比9・4%増)を計上した。防衛力の抜本強化に向けて、2027年度までの5年間で総額43・5兆円(契約ベース)を投じる「防衛力整備計画」の3年目。25年度当初予算案を含めると、これまでに62%を計上したことになる。

 反撃能力(敵基地攻撃能力)の整備をてこ入れするため、敵の射程圏外から相手を攻撃できる「スタンドオフ防衛能力」の整備に9390億円を計上した。多数の小型人工衛星でミサイルなどの目標を探知する「衛星コンステレーション」の構築に関する予算(2832億円)を初めて盛り込んだ。艦船から発射する「12式地対艦誘導弾能力向上型」の取得費(168億円)も初めて計上。25年度中に量産を始める。1年前倒しして25年に配備する米国製長距離巡航ミサイル「トマホーク」を巡っては海上自衛隊艦艇に搭載する機材などの費用18億円を計上した。

 日英伊で共同開発する次期戦闘機については、戦闘機の開発費1087億円、搭載する次期中距離空対空誘導弾の開発費59億円、3カ国が共同で作った開発機関の運営費30億円をそれぞれ盛り込んだ。

 自衛官の処遇改善に関する経費として4097億円を計上。手当の新設や拡充など処遇改善に167億円、隊舎の個室化など生活・勤務環境の改善に3878億円を充てる。組織改編では宇宙空間の安全保障全体を束ねる上級部隊として「宇宙作戦団(仮称)」を新設する。【中村紬葵】

毎日新聞

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