寺や神社に特化したCF登場 推し寺社を「おさい銭感覚で」支援
クラウドファンディング(CF)を運営する「うぶごえ」(東京都渋谷区)が、寺や神社に特化したCFを始めた。僧侶の関連団体や企業と協力し、資金不足に悩む寺社を支援する。
「現代の寺社勧進プロジェクト」と銘打ち、ユーチューブで寺社を紹介する「神社仏閣オンライン」(京都市)と、寺の活性化に取り組む一般社団法人「ソーシャルテンプル」(山梨県中央市)が参加。僧侶など寺社の内情に詳しい人が寺や神社の相談に応じ、うぶごえがCFのプラットフォームを提供。ページ作成やPRといった事業のサポートもする。
全国の寺と神社の数は約16万に上る。檀家(だんか)や参拝者の減少で運営が立ちゆかない寺社も少なくない。有識者団体「日本創成会議」の試算では、2040年には全国で35・6%の寺と神社が消える可能性がある。
うぶごえは、24年1月に発生した能登半島地震で被災した寺の復興支援にかかわり、「特に地方では、経営難の寺や神社が多い実情を知った」という。新型コロナウイルス禍を経て、葬儀や法要が簡素化されたことも寺などの困窮を加速させている。
うぶごえの担当者は「エンタメやカルチャー、IT、地域の知見を持つ3者の協業で、寺社の課題を解決し、日本文化の継承につなげたい」と話す。
初回のCFとして、山梨県身延町にある日蓮宗の総本山、久遠寺の支援を募っている。こうした著名な寺も、檀家の減少などで資金集めが難しくなっているという。CFで集まったお金は、日蓮らがまつられた「奥之院 思親閣」の修復などに充てられる。
CFの内容は、短期的支援を募る一般的なものと、26年8月まで長期支援を募るタイプの2種類がある。うぶごえの担当者は「『推し』を応援するように、オンラインのおさい銭感覚で応援して」と支援を呼びかけている。【嶋田夕子】
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