経団連、賃上げ定着を「社会的責務」と明記 春闘の経営側指針
経団連は21日、2025年の春季労使交渉(春闘)で経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」を発表した。賃上げを定着させる春闘と位置付け、構造的な賃金引き上げ実現への貢献が「経団連と企業の社会的責務」と明記した。今春闘は22日、経団連会長と連合会長の会談で事実上スタートする。
経団連によると、24年春闘の大企業賃上げ率は5・58%と23年春闘の3・99%を大きく上回り、1991年以来33年ぶりの高水準となった。
経労委報告は、23年を賃上げの「起点」の年、24年を賃上げの勢いが「加速」した年とそれぞれ位置づけた。
25年はその勢いを「わが国に『定着』させる分水嶺(ぶんすいれい)ともいえる極めて重要な意味をもつ」とした上で、「成長と分配の好循環の実現に大きく前進できるか、極めて大事な局面」と定義した。
賃上げの手法については「(基本給を底上げする)ベースアップ(ベア)を念頭に置いた検討が望まれる」と打ち出した。ベアを「前向きに検討」としていた23年や「有力な選択肢」とした24年より踏み込んだ。
21日に記者会見した経労委の大橋徹二委員長(コマツ会長)は「数年間にわたって(賃金が)伸びてきているのが大事。今年が定着の始まりだろうと期待している」と述べた。
一方、労働組合の中央組織・連合は25年春闘の賃上げ目標を「5%以上」と掲げている。一方、中小企業に対しては大企業との格差を是正するため「6%以上」と目標を引き上げた。
経労委報告では、中小企業、パートや契約社員など有期雇用者の賃上げについて項目を新設。「働き手の約7割を雇用する中小企業の構造的な賃上げと、雇用者全体の4割近くを占める有期雇用者の賃上げ・処遇改善の重要性が一層高まっている」と明記し、取り組みの強化を呼び掛けた。
中小企業の賃上げには、賃上げした分のコストを商品やサービスの価格に転嫁できるかも鍵になる。
このため、経労委報告は、中小企業の賃上げ原資を確保するため「サービスなどに対する適正な価格転嫁を消費者が理解して受け入れることが不可欠だ」と指摘。発注企業の意識改革も求め、「経営層から取引担当者に至るまで(適正価格で発注するという)趣旨を社内に周知徹底する」ことを求めた。【道永竜命】
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