労使トップが会談、春闘スタート 「賃上げ定着を」「隅々まで波及」
経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長の労使トップが22日、東京都内で会談し、2025年の春季労使交渉(春闘)が事実上スタートした。両トップは物価上昇を上回る賃上げの重要性のほか、人件費や原材料費の上昇分を上乗せする適切な価格転嫁の必要性を改めて確認した。
会談で十倉会長は23、24年と高水準の賃上げが続いたことについて「人への投資の重要性を労使で深く共有し、取り組んできた成果」と振り返り「今年は2年間で醸成された賃上げの強いモメンタム(勢い)を定着させる年にしなければならない」と語った。芳野会長も「中小事業者、地方経済の隅々まで賃上げが波及しなければならない。賃金、経済、物価を安定した巡航軌道に乗せるために労使で努力したい」と応じた。
経団連の集計では、24年春闘の大企業賃上げ率は5・58%と23年春闘の3・99%を大きく上回り、1991年以来33年ぶりの高水準となった。
一方で、原材料価格の高騰や円安を背景に24年11月の全国消費者物価指数(20年=100、生鮮食品を除く)は109・2となり、前年同月比2・7%上昇。物価変動を加味した実質賃金は24年6、7月こそ夏のボーナスでプラスになったが、8月からは再びマイナスに転じ、賃金の上昇が物価上昇に追いつかない状況が続いている。
賃上げの状況は「デフレからの完全脱却」を目指す政府や日銀も注視している。25年春闘は物価上昇が続く中、3年連続となる高水準の賃上げを実現し、「賃金と物価の好循環」による成長型経済へ移行できるかの「分水嶺(ぶんすいれい)」(十倉会長)となる。
経団連は25年春闘を「賃上げの力強い勢いを社会全体に定着させ、成長と分配の好循環の実現に大きく前進できるか、極めて大事な局面」と定義し、基本給を底上げするベースアップを念頭にした賃上げを呼び掛けている。
一方で、日本商工会議所(日商)の調査によれば、24年4月時点で中小の正社員の賃上げ率は3・62%と5%を超えた大企業と開きがある。
連合は25年春闘の目標としてベア「3%以上」、定期昇給分を含めて「5%以上」の賃上げを求め、企業規模による賃金格差を是正するため、中小には「6%以上」を要求。賃上げの定着には中小企業にどう波及させるかや、物価上昇が続くことを容認する環境作りも課題になる。【道永竜命、塩田彩】
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