イオンは１３日、カリフォルニア産米の新商品「かろやか」を６月６日に発売すると発表した。価格は１袋４キロ２６８０円（税抜き）で、イオンの土谷美津子副社長は「コメの価格が高止まりする中でも、必要な方々に届くようにしたい」と話した。

　「かろやか」は米国産ジャポニカ種の「カルローズ」１００％。特にコメが不足傾向にある都市部を中心に販売していく方針で、総取扱量は１・４万トン。３カ月かけて、供給が逼迫（ひっぱく）する夏場まで販売する予定という。

　カルローズは国産米より硬めなことからチャーハンやリゾットに合うほか、普通に炊く場合は水の量を国産米の１・２～１・５倍にすることを勧めている。イオンは国産米の代替ではなく、新たな選択肢になることを目指している。

　イオンは昨夏からのコメ不足を受けて、今年４月に無関税の「ミニマムアクセス（ＭＡ）」枠内で輸入した米国産米と国産米をブレンドした商品を販売。同商品への需要が高かったことからＭＡ枠外でカルローズを輸入し、商品化に踏み切ったという。

　農林水産省の調査によると、４月２８日～５月４日に全国のスーパーで販売されたコメ５キロ当たりの平均価格（税込み）が４２１４円。１８週ぶりに下落したものの、かろやかは５キロ換算で３６１８円（同）で、価格では当面優位となりそうだ。

　発表会には米国のジョージ・グラス駐日大使も参加。「食品の価格高騰で生活が厳しい状況の今、これ以上ない発表のタイミング。食品の安全保障がエネルギー安全保障と同じくらい重要な時代に、この発表は、信頼できる食品の供給者としてのアメリカの役割を強調している」と話した。【渡辺暢】