日本政府が合意内容公表 米側と表現に違いも 投資策にも微妙な差
政府は25日、トランプ米政権による関税措置への対応を協議する総合対策本部の会合を首相官邸で開き、日米合意の概要を報告した。23日に米ホワイトハウスも概要を公表しているが、双方の発表には異なる表現も多い。会合で石破茂首相は合意の履行に意欲を示したが、日米間で合意を巡る認識の差があれば新たな火だねとなりかねない。
「今後は合意の内容を日米双方が着実に履行し、相互利益の促進につながる成果を早期に上げていくことが極めて重要」。首相は会合でこう述べ、日本への影響の精査▽約4300ある輸出品目の関税率について全国の相談窓口での丁寧な対応▽合意の履行状況の進捗(しんちょく)管理――を指示した。
政府は15%の相互関税の適用を8月1日と見込む。25%の追加関税が課されている自動車関税も早期に15%への引き下げを目指す。ただ、いずれも施行には米大統領令の発令が必要だ。また今後、半導体や医薬品などに関税が課される場合も「日本を他国に劣後する形で扱わないことで合意した」と政府は説明しているが、こうした内容は米側の発表にはない。
米国産のコメの輸入も、米側は日本が75%増やすと発表したのに対し、日本政府はミニマムアクセス(最低輸入量)の枠内(約77万トン)で増やし、主食用ではないと説明するのみで数値目標なども示していない。
バイオエタノールや大豆、トウモロコシなど米国産農産品の輸入拡大についても同様で、米側が発表した80億ドル(約1・2兆円)という購入規模は書かれていない。対策本部事務局は「米側の発表は承知している」とするのみだ。
防衛装備品についても、米側は日本が米国からの購入を年数十億ドル増やすと発表したが、日本側は記載すらない。政府は、決定済みの防衛力整備計画などに基づくもので、トランプ大統領が問題視する対日貿易赤字の解消に貢献する一手として米側に示したと説明した。
5500億ドルの投資支援策でも微妙な違いがある。米側は「米国は投資で得た利益の90%を保持する」とするが、日本側は対象とするのは投資の一部である出資のみだと主張。「出資の際の日米の利益配分は1対9」と表記した。日本の交渉筋は、米国は金銭的な出資だけでなく土地や電力・水道インフラなどの提供(現物出資)もすることからその貢献に応じた利益を得ると説明する。
一連の差異について、対策本部事務局は「日米間で齟齬(そご)があるとは全く考えていない」としている。【横山三加子、内田帆ノ佳】
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