日本棋院、29年度にも運転資金確保困難に 棋士関連経費が経営圧迫

2025/10/28 20:18 

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 囲碁の日本棋院の武宮陽光理事長や外部有識者らでつくる経営改革委員会は28日、「経常収支の赤字が継続すると、2029年度ごろに十分な運転資金の確保が困難となる」との最終報告をまとめ、公表した。武宮理事長は同日の記者会見で「先送りされてきた課題が浮き彫りになった。軽重をつけながら財政改革に取り組んでいく」と述べた。

 日本棋院は1990年代半ばごろから赤字経営が続いている。同委員会は24年10月以降、赤字の原因分析や経営改善策などを協議。最終報告は、経常収益に占める給与やボーナスなど棋士支払い割合の増加が経営を圧迫していると指摘した上で「棋士関連経費の見直しや採用数の抑制が求められる」とした。

 また築54年で老朽化している日本棋院東京本院(東京都千代田区)について、同委員会は、①東京本院を売却後に別の場所で新たにビルを購入②売却後に別の場所でビルを賃借③デベロッパーと協働し現在地に新たに建設――の3案で検討すべきだと提言。武宮理事長は「来年3月までにある程度の方針を固めたい」と話した。【武内亮】

毎日新聞

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