ソフトバンク・今宮健太 再臨のスーパーキャッチ チーム救う

2025/10/28 22:55 

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 ◇○ソフトバンク2―1阪神●(28日・甲子園)

 ほれぼれするような美技だった。ソフトバンクの遊撃・今宮健太は1点を勝ち越した直後の六回に迎えた2死一、二塁のピンチで、頭上を越えた飛球を追いかけてジャンピングキャッチ。「捕れて良かった」と喜んだベテランのファインプレーがチームを救った。

 阪神・坂本誠志郎の放ったフライは遊撃後方へ上がった。「最初は余裕でいけると思ったけど、ふわふわ行ってるな」という厄介な打球は、内野の土部分どころか、外野の芝部分の方まで飛んでいった。だが、必死にダッシュし、飛びついた左手のグラブに白球が収まった。球場には阪神ファンの悲鳴がこだました。

 まるで、録画された映像を見たかのようだった。今宮と言えば、2014年6月の阪神との交流戦でも、似たような打球をスーパーキャッチした記憶が鮮明だ。この際は、一度はじいたボールを何とかつかんでアウト。11年の時を経て、さらにレベルの高い守備を見せた。

 この日はチーム全体で2失策。ほかにも記録に残らない守りのミスが散見されたが、今シリーズ初の先発出場だった名手が範を示した。

 プロ16年目の経験豊富な選手ながら、前日の練習では、普段戦わない甲子園の土の状態を綿密に確認。「(若い選手たちに)見られていると思ってます」と話した今宮。これほどのベテランの努力、実力を目の当たりにしたチームの士気はさらに高まるはずだ。【岸本悠】

毎日新聞

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