「麻薬運搬船」4隻爆撃し14人殺害 米国防長官が発表

2025/10/29 08:36 

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 ヘグセス米国防長官は28日、米軍が27日に南米沖の東太平洋で「麻薬運搬船」に対する攻撃を計3回実施して4隻を爆撃、乗船していた男性計14人を殺害したと発表した。米軍による同様の攻撃は9月上旬の開始後から今回を含めて少なくとも計13回に上り、57人が殺害されている。軍による民間人への攻撃は国際法違反との指摘があるが、トランプ米政権は攻撃をエスカレートさせている。

 ヘグセス氏はX(ツイッター)で、4隻はいずれも指定テロ組織の麻薬運搬船だったと主張。情報機関が把握しているルートで麻薬を運んでいたとしているが、組織名などの詳細は明らかにしていない。ヘグセス氏が投稿した動画では、洋上で並ぶ2隻の船や、航行中の船が上空から爆撃される様子が映し出されている。

 ヘグセス氏はまた、3隻に乗船していた15人のうち1人が生存し、米軍がメキシコ軍に救助を要請したと明らかにした。AP通信によると、メキシコ軍は28日、南西部アカプルコの沖合で捜索を継続していると発表。シェインバウム大統領は記者会見で「全ての国際条約が尊重されるべきだ」と述べ、外相らに米側と協議するよう指示したと明らかにした。

 ヘグセス氏はXで「麻薬テロリストは(国際テロ組織)アルカイダよりも多くの米国人を殺害している」と主張し、攻撃を正当化している。一方、戦闘行為に参加していない民間人に対する軍の攻撃は国際法違反との指摘が複数の法律専門家や連邦議会議員から上がっている。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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