手厚い「おもてなし」の高市外交 野党は批判「かなり異様」

2025/10/29 16:54 

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 29日に韓国へ出発したトランプ米大統領の日本訪問で、高市早苗首相は初めて、外国賓客を迎える「ホスト国」リーダーの力量を試された。28日の米原子力空母ジョージ・ワシントンでの演説では、首相が米兵らの歓声と拍手に右手を何度も突き上げて応え、ベテラン外交官からは「恥ずかしがる日本人では普通できないロックスターのような振る舞いだった」と驚きの声が上がった。

 両首脳は米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)で空母に乗艦。日本首脳が米原子力空母で演説するのは異例。トランプ氏が「この女性こそ勝者(ウィナー)だ」などと紹介すると、首相は満面の笑みで跳びはねるように右手を上げた。

 両首脳が会談した東京・元赤坂の迎賓館の内外では米国への手厚い「おもてなし」が徹底された。昼食では奈良県産ナスと米産コメのグラタン、米産牛肉のステーキなどを提供。敷地にはトランプ氏が好きな米フォード「F150」と、トヨタ自動車が米国で販売する「タンドラ」の2種のピックアップトラックなどを並べた。

 政府関係者は「今後、日本政府が整備用に米国の車を導入し、米製日本車の『逆輸入』が進む可能性があり、象徴する2台を置いた」と明かす。

 日米首脳会談では、首相がトランプ氏にノーベル平和賞に推薦するとも伝えており、首相の一連の振る舞いに野党から批判の声が上がっている。立憲民主党の安住淳幹事長は記者会見で「(推薦は)首脳会談の手土産にする話ではない」と批判。共産党の小池晃書記局長は記者団に「日本がアメリカとともに軍事行動をしていくのではないか。今までの首相の行動に比べてかなり異様な感じがする」と指摘した。【田所柳子、富美月】

毎日新聞

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