タイムマシンイメージの「空飛ぶ車」 モビリティショーで展示へ

2025/10/29 07:45 

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 徳島発の「空飛ぶ車」が30日から11月9日まで東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー(旧称・東京モーターショー)」に出展される。会場では飛行や浮上はしないが、ボタン一つで四つの車輪の向きが陸上走行時の垂直から逆ハの字を経て、浮上・飛行時の水平になる「変形機構」を作動させる。

 2021年3月から徳島大高等教育研究センター(徳島市)の山中建二助教(50)が徳島県阿南市で研究を重ねてきた。電動モーターで動く電気自動車で、通常は車として地上を走行し、障害物や川などがある場所では小型プロペラ付きの車輪が水平に倒れ、車体下の二つのメインプロペラとともに浮揚力を生んで飛び越える、という想定で設計されている。

 大阪・関西万博でも披露された「空飛ぶクルマ」は最初から小型プロペラが水平で、ヘリコプターのような見た目をしていた。一方、山中助教が設計したものは、中学生の時に感激したという米映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に、車型タイムマシンとして登場し、作中で空も飛ぶことができる「デロリアン」をイメージしている。

 山中助教の空飛ぶ車は変形機構を搭載しない状態では、約4分間の飛行ができる。今回は約50キロの変形機構を取り付けた分、車体底の二つのプロペラの直径を1メートルから1・3メートルに変更した。その分、車体が大型化し総重量も増したが、モーターの出力を上げたほか、プロペラの素材をカーボン製の軽いものにするなど、工夫を重ねたという。山中助教は「浮揚した際に左右のバランスを取れるかが今後の課題だ」と話している。【山本芳博】

毎日新聞

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