不登校の小中学生、過去最多の35万人 4割が専門的な指導受けず

2025/10/29 17:00 

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 2024年度に年間30日以上登校せず、不登校とされた小中学生は35万3970人で前年度より7488人(2・2%)増え、過去最多を更新した。文部科学省が29日に公表した「問題行動・不登校調査」の結果で判明した。増加は12年連続。専門的な相談・指導を受けていない児童生徒は約4割にあたる13万5724人おり、文科省は外部機関と連携した対応を進める。

 調査は毎年度、国公私立の小中高校を対象に実施。不登校は、病気や経済的理由を除く要因で年間30日以上登校しない状況を指す。24年度に不登校だった小学生は13万7704人(前年度比7334人増)、中学生は21万6266人(同154人増)だった。

 不登校は21年度以降、前年度比15~25%程度と急速に増えていたが、4年ぶりに増加率が10%を下回った。また、新たに不登校となった児童生徒数は、9年ぶりに前年度より減少した。文科省は、児童生徒の悩みや不安を早期に把握し対応して不登校を未然に防ぐ取り組みが功を奏したとみている。

 一方、不登校のうち、学校内の養護教員やカウンセラー、学外のフリースクールを含む民間団体、医療機関などの専門的な相談・指導を受けていない児童生徒は13万5724人(38・3%)で、前年度より1356人増えた。

 学外での専門的な相談・指導は一定の要件を満たせば校長判断で出席扱いにできるが、これらを受けた12万1375人のうち、出席扱いとなったのは4万2978人だった。6割以上は相談・指導を受けても学校長によって出席と認められなかった計算だ。

 また、不登校の児童生徒のうち自宅や学外での取り組みが成績評価に反映されたのは8万1467人。文科省が24年8月、学外での学習の成果を成績評価に反映できることを省令改正によって明示したことを受け、初めて集計した。

 不登校の児童生徒について教員が把握した事実としては、「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談」が30・1%で最も多く、「生活リズムの不調に関する相談」(25・0%)、「不安・抑うつの相談」が24・3%と続き、前年度とほぼ同じ傾向だった。「障害に起因する特別な支援の要望や相談」は7・5%、外国にルーツがあることなどによる「個別の配慮についての要望や相談」も6・4%あった。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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