高市首相、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦 日米首脳会談で

2025/10/28 18:03 

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 米ホワイトハウスのレビット報道官は28日、同日にあった日米首脳会談で、高市早苗首相がトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦すると伝えたと明らかにした。トランプ氏はかねて平和賞の受賞に強い意欲を示している。

 高市氏は首脳会談の冒頭で、トランプ氏と親交が深かった安倍晋三元首相に言及し、「安倍首相からはよくトランプ氏のダイナミックな外交について話を聞いていた」と持ち上げた。

 その上で、トランプ氏が成功したと主張するタイとカンボジアの停戦について「アジアの平和に貢献した」とたたえた。また、トランプ氏が仲介役を担ったパレスチナ自治区ガザ地区を巡る和平合意については「かつてない歴史的偉業」と絶賛。「この世界の平和と安定へのトランプ氏の揺るぎないコミットを高く評価する」と述べた。

 トランプ氏はかねて平和賞について「私が受賞すべきだ」と繰り返し訴えてきた。「平和の構築者」を自任し、これまでに「八つの戦争」を解決したと主張してきた。ただ実際は、当事国間の対立が続くなどしているケースもあり、トランプ氏による「誇張」との見方が強い。

 トランプ氏が平和賞に執着する背景には、2009年に「核なき世界」を打ち出して平和賞を受賞したオバマ元大統領に対する対抗意識があると指摘される。トランプ氏はオバマ氏について「彼は当選しただけで、何もしていないのにノーベル賞を受け取った。私は当選し、実際に成し遂げた」と訴えていた。

 トランプ氏は1期目(17~21年)の当時から平和賞への強いこだわりがあったとされ、安倍氏に推薦を依頼。安倍氏は求めに応じて推薦したとされている。【松井聡】

毎日新聞

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