ホンダ、上場以来初の最終赤字へ EV不振「生産すると更なる損失」
ホンダは12日、2026年3月期の連結最終(当期)損益が最大6900億円の赤字(前期は8358億円の黒字)となる見通しを発表した。前期比64・1%減の3000億円の黒字としていた従来予想から大幅に下方修正し、最終赤字に転落する。通期の最終赤字は1957年の上場以来、初めて。
北米で生産予定だった電気自動車(EV)モデル3車種の開発や販売を中止し、使用予定だった生産設備などの減損損失を計上する。ホンダの三部(みべ)敏宏社長は12日、オンライン記者会見を開き、「あらゆる手立てをとったが収益性が厳しい。このまま生産、販売に移行すると更なる損失拡大を招く」と説明した。
営業損益は、2700億円から最大5700億円の赤字となる見通し(前期は1兆2134億円の黒字)。今期の従来予想5500億円の黒字から大幅に下方修正した。売上高予想の21兆1000億円は据え置いた。
米国ではトランプ政権がEVの購入補助を打ち切るなど、バイデン前政権時代のEV促進策を大きく転換。2月にも自動車の排ガス規制を廃止する方針を示しており、EVの需要は高まっていない。一方でEV普及が進む中国市場では、自動運転技術や価格面で優れた現地メーカーとの競争が激化しているため、開発体制を見直す方針だ。
来期以降も追加で投資損失が発生し、最大2兆5000億円に上るとしている。三部社長は「事業環境の変化に柔軟に対応できなかったことで、(自動車の)四輪事業は極めて厳しい状況に陥った」と述べた。
損失計上を受けて、三部社長と貝原典也副社長が3カ月間、月額報酬の3割を自主的に返上。その他の経営会議メンバーと四輪事業に関係する役員は月額報酬の20%を3カ月間自主返上する。
ホンダは40年に販売する新車をすべてEVか燃料電池車(FCV)にする目標を掲げ、「脱エンジン」を進めてきた。しかしEV普及の遅れから、ホンダは昨年5月に30年度までのEVやソフトウエア開発への投資を10兆円から7兆円に減らし、ハイブリッド車(HV)の世界販売を増やす計画変更を発表していた。
貝原副社長は経営改善に向け、北米や日本市場などで「EVに傾けていたリソース配分を見直し、ハイブリッドの新商品を投入し、足元の収益改善を図る」と述べた。【鶴見泰寿】
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