アニメや映画の取引適正化へ公取委指針 視聴回数不開示を改善へ
公正取引委員会は22日、アニメや映画に関し、発注者側と、実際に制作を担うプロダクションやフリーの制作者などとの取引適正化に向けた指針を公表した。ネット動画配信サービス会社がオリジナル作品の視聴回数を制作会社に開示しないといった状況について改善を求めるなどしている。
公取委はこれまで、アニメや映画について、製作委員会と元請け制作会社▽元請け制作会社と再委託先事業者▽制作会社とフリーランス――といったさまざまな当事者間の取引について調査を実施してきた。
問題行為について、中小受託取引適正化法(取適法)など、違反となり得る法令を示した上で改善を呼びかける。
指針では、ネットフリックスやアマゾンプライムビデオに代表されるネット動画配信サービスのオリジナル作品について言及した。
公取委の担当者によると、大手ネット動画配信サービス会社は、従来の製作委員会方式よりも潤沢に制作費が支払われる傾向にあるという。
◇「高水準の要求、低い制作費」はNG
ただ、ヒットして収入や利益が想定を上回った場合でも、報酬がない契約の場合もある。そもそもどれだけ配信で視聴されたかのデータが示されず、現場の制作者側から不平の声が出ていた。
指針では「ヒット作の続編を作る際などでは、取引額の協議に視聴実績が重要な場合もある」などとし、必要な範囲で情報を提供するのが望ましいとした。
また、特にアニメでは、滑らかな動きと迫力ある演出など、求められる水準が上がり、制作費も上がっている。
それにもかかわらず、発注者側が一方的に代金を設定するという問題は依然残っているという。
指針ではこれらを取適法やフリーランス取引適正化法が禁じる「買いたたき」などに当たる可能性があると指摘した。
担当者は「『鬼滅の刃』みたいに作って、などと要求しながら低い制作費で発注するのは問題」としている。【渡辺暢】
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