大阪メトロの河井英明会長が辞任へ 万博EVバスの使用停止問題
2025年の大阪・関西万博の会場で運行した電気自動車(EV)バスが、相次ぐ車両トラブルで使用停止となった問題を受け、大阪メトロ(大阪市)の河井英明会長(71)が辞任する意向を固めたことが16日、関係者への取材で判明した。この問題を巡っては、70億円近くの損失を出し、国や大阪府・市から交付された補助金を返還する事態になっており、経営責任を取る必要があると判断したとみられる。
大阪メトロは、不具合が相次いだEVバスの購入の経緯について社内調査を進めており、近く結果を公表する方針。
関係者によると、問題を受け、当時社長だった河井会長が辞任し、経営権のない相談役に回る。交通事業担当の堀元治常務取締役(59)が取締役に降任。豆谷美津二取締役(56)が取締役を辞任する人事を公表する方向で最終調整している。
大阪メトロは22年度から、北九州市の自動車メーカー「EVモーターズ・ジャパン」(EVMJ社)=民事再生手続き中=から計150台のEVバスを購入した。
車両は万博会場や周辺で来場者輸送に使われ、閉幕後は路線バスなどとして活用する計画だった。購入額は約75億円に上り、このうち40億円超を国や大阪府・市の補助金で賄っていた。
しかし、昨年秋に大阪市内で運行中の車両が中央分離帯に衝突する事故が発生。万博会場周辺でEVMJ社製のバスによる事故が複数確認されたため、国土交通省が同社に総点検を指示。多数の車両で不具合が確認された。
大阪メトロは安全性への懸念から今年3月、追加購入していた40台を含む190台全ての使用を断念した。
これに伴い大阪メトロは26年3月期連結決算で、補助金の返還分を含めた67億円の特別損失を計上した。国と大阪府・市への補助金の返還手続きを進める一方、EVMJ社に損害分の返金を求めている。
EVMJ社は57億円の負債を抱え、4月に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。【二村祐士朗、北村秀徳】
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