硬貨、空港、橋、旅券まで 「トランプ崇拝」強要に米国で反感
トランプ米大統領の肖像が入った1ドル硬貨が製造される動きには、米国民からの批判が相次いでいる。
空港に橋、そしてパスポート――。トランプ政権下では、トランプ氏の名前や肖像を公的に残す取り組みが数多く推進されてきた。
通貨を巡っても、建国250年記念としてトランプ氏の肖像が描かれた250ドル紙幣の構想があるほか、トランプ氏の署名が記された新紙幣が今年後半に流通し始める予定とされる。250ドル紙幣は議会の立法措置が必要で実現は不透明だが、署名入り紙幣は既に印刷が始まっているという。
◇「まるで米国が…」
そんな中でも、米国民が広く利用する1ドル硬貨に現職大統領の肖像が描かれる今回の動きは特に反感を買っている。米紙ニューヨーク・タイムズは専門家らの指摘として、民主主義国家として不適切な「君主制的な動き」だと伝えた。
SNS上では「(トランプ氏の岩盤支持層である)MAGA(マガ)を除けば、誰も望んでいない」「権威主義的な個人崇拝」といった手厳しい意見が相次いでいる。建国250年を示す「1776~2026」というデザインに対しても「まるで米国が2026年に滅びたかのように見える」といった声が上がった。
◇暗に政権批判、野党も憤り
米国の著名プログラマーで作家のポール・グレアム氏はX(ツイッター)で、ベッセント財務長官の投稿を引用する形で「第三世界の国のように振る舞い続けると、実際にそうなってしまう危険性がある」と投稿した。冷戦時代に東西の両陣営に属さなかった国々を指す「第三世界」という言葉を使い、権威主義的な言動を繰り返すと制度そのものが劣化するとして暗に政権を批判した。
野党・民主党からもX上で憤りの声が上がった。バンホーレン上院議員は「トランプ氏の自尊心をくすぐり、その顔を硬貨にあしらうことに大喜びしている」と政権幹部の対応を問題視。ハッサン上院議員は生活費高騰が社会問題となっていることを踏まえ、「話にならない。米国民には、自分の顔を通貨に描くことより、人々の懐を潤すことを優先する大統領がふさわしい」と記した。【ワシントン浅川大樹】
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