信頼性高いニュース記事で「共存の道」 ソフトバンクAI情報基盤

2026/07/22 21:50 

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 生成人工知能(AI)による検索サービスが急速に広がるなか、情報の根拠が明らかなコンテンツを求める声が高まっている。ソフトバンク(SB)が22日に試験運用の開始を発表した新たな情報基盤「Garan(ガラン)AI」は報道機関が日々配信するニュース記事を情報の一つの核としている。信頼性が高いデータの確保を目指す開発側と、記事の権利保護を急ぐメディア側との「共存の道」を探る新たなケースになりそうだ。

 今回の仕組みは、新聞社などのコンテンツ作成者は新情報基盤に記事などを預け、SBは預けられた記事の意味や事実関係は維持しながらも、原文に復元できない状態に情報を変換する。さらにAIが使いやすいデータの形に加工し、AI開発事業者に提供する。

 AI開発事業者は引用元が明確な1次情報を利用できる。AI開発事業者などのサービスを使う一般利用者も、権利処理されていないデータに基づくAIの回答を避けることが可能だ。

 正確な情報に価値を置く企業や研究機関、自治体に一定の需要があることが見込まれる。

 一方、さまざまな課題を抱えるメディア側も大きな関心を寄せる。

 生成AIによる検索サービスの普及とともに、ニュース記事の無断利用が表面化している。

 毎日新聞社は2025年12月、米国の生成AI事業者「パープレキシティ」に対し、記事の無断取得による回答生成は著作権侵害に当たるとして抗議書を送付。読売、朝日、日経の新聞3社は損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしている。パープレキシティはいずれも権利侵害を否定している。

 また、生成AIの検索サービスの回答は元の記事に依拠する割合が大きい。利用者がその回答に満足してしまえば元記事にアクセスしない「ゼロクリックサーチ」と呼ばれる結果を招き、報道機関は購読者や広告収入を得る機会を失う。

 適正な対価がなければジャーナリズムが衰退するため、報道機関は国民の知る権利に応える取材活動が痩せ細るという危機感も抱えている。

 新しい情報基盤が商用化されれば、記事を提供したメディア側は対価を受け取ることができる。

 SBの佐藤敏紀・データエコシステム開発室長は22日の説明会で、「コンテンツホルダー、データ利用事業者の双方にとって『安全な懸け橋』として、データを届けるインフラを作らせていただきたい」と期待した。【渡辺暢、町野幸】

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