景気拡大、戦後最長の74カ月に 乏しい実感、バブルにほど遠く

2026/07/29 18:51 

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 政府は29日、7月の月例経済報告を公表し、国内景気について「緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある」とし、基調判断を5カ月連続で維持した。

 事後的に認定されるが、2020年6月に始まった景気拡大期間は74カ月に達し、戦後最長だった「いざなみ景気」の73カ月(02年2月~08年2月)を超え、戦後最長を暫定的に更新したことになる。

 ただ物価高による生活苦を訴える人も多く、好景気の実感は薄いとも指摘されている。

 城内実経済財政担当相は同日の記者会見で「我が国の経済は緩やかな回復が続いているが、体感温度はコロナ禍前より低い。潜在成長率の向上が不可欠」などと述べた。

 ◇企業業績は好調

 今回の景気拡大を象徴するのは、企業業績だ。

 財務省の法人企業統計(年次別調査)によると、全産業(金融・保険業を除く)の経常利益(当期末)は18年度が83・9兆円で、新型コロナウイルス禍が始まった19年度に71・4兆円、本格化した20年度に62・8兆円と大幅に減益したが、その後は経済活動の再開を受けて持ち直し、4年連続で過去最高益を更新。24年度は114・7兆円まで膨らんだ。

 人手不足などを背景に、賃上げも進んだ。連合が3日発表した今年の春闘での最終集計で、平均賃上げ率は5・01%と、3年連続で高水準の5%台を維持している。

 ◇実質成長率は低位安定

 ただ、内閣府などによると、20年7~9月期から、今回の景気拡大期の国内総生産(GDP)の実質成長率の平均は年率2・0%。これまで最長だった02年2月~08年2月の景気拡大期(1・6%)よりは高いが、高度成長期の「いざなぎ景気」(11・5%)、1980年代後半以降の「バブル景気」(5・3%)にはほど遠い。

 今回の景気拡大期のうち、コロナ禍での最初の緊急事態宣言後の経済活動再開により反動増があった時期(20年7~9月期)を省くと、平均の実質成長率は年率1・2%にとどまる。

 コロナ禍から物価上昇が続き、現在も中東情勢悪化に伴うエネルギー価格の高騰が起きている。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)の小林真一郎主席研究員は「消費者に実感はわかず、達成感もついてこないだろう」と指摘する。

 景気の拡大と後退のピーク(山と谷)は、内閣府が有識者会議「景気動向指数研究会」での議論を踏まえ、正式に認定する。経済指標を詳しく分析するため、正式認定は2年~2年半ほど後になる。【大原翔】

毎日新聞

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