2024年に新規ファンを増やしたアーティストは?【音楽ファン意識調査】

2025/03/21 18:05 

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「2024年に好きになったアーティスト」上位5組の回答者男女比

 ORICON BiZ onlineでは「2024年に好きになったアーティスト」と題したアンケート調査を、コロナ禍(2020年3月~2021年10月)、2022年、2023年に続いて実施した。2024年は「Bling-Bang-Bang-Born」が大ヒットしたCreepy Nuts、「ライラック」の驚異的なロングヒットをはじめ、ストリーミングランキングを席巻し続けているMrs. GREEN APPLEらTikTokやサブスクをなどを通じて多くのヒットやスターが生まれた。2024年の音楽シーンにおいて、最も多くの“新規ファン”を獲得したアーティストは誰だったのか。

【グラフ】「2024年に好きになったアーティスト」上位5組の回答者数

 本調査は、回答者全体(4949人)のうち、「2024年1~12月の期間に初めて好きになった音楽アーティストはいますか(※2023年以前からずっと好きというアーティストは対象外)」との問いに「いる」と答えた人(2058人)に対して、1組をあげてもらったもの。「いる」と回答した男女比は男性31.2%、女性68.6%。年代別では、10・20代の割合が9.9%、30代が20.1%、40代が31.8%、50代が38.3%だった。

 551組のアーティスト名が挙がり多様性が広がるなか、最も多くの票が集まったのは、23年に続き2年連続でMrs. GREEN APPLEとなった。前回23年調査時の男女比は12.1%:87.9%と女性が9割近くを占めていたが、今回の24年調査では、男性の新規ファンが前回比約2倍に増加した。上位アーティストをもう少し掘り下げてみよう。

◆Mrs. GREEN APPLE:楽曲ファンに加え、メンバーの人柄推し増

 24年のMrs. GREEN APPLEの新規ファン層の男女比は、男性25.8%:女性74.2%。40代女性が最も多かったが、前出のとおり男性ファンをも増やした。

 好きになったきっかけは、半数以上が「楽曲」をあげた。「テレビでの歌唱を観て歌の上手さと曲の良さに衝撃を受けた」(20代女性/大阪府)、「楽曲に惚れました」(50代女性/静岡県)、「楽曲がよい。大森くんの声がよい」(50代女性/宮城県)、「どの曲もメロディーが綺麗だし、詞もすごくよい」(40代女性/京都府)、「青と夏を初めて聞いて、やられた」(50代男性/北海道)など、歌詞、ボーカル・大森元貴のボーカル力も含めたMrs. GREEN APPLEの楽曲やパフォーマンスに魅了されている。

 続いて多かった“入口”は「テレビ」。23年大みそかに初出場した『NHK紅白歌合戦』や、大賞を受賞した『日本レコード大賞』をはじめとする音楽番組経路が多数を占めるなか、「バラエティで見かけて面白い人たちだなと思って、動画や曲を視聴して好きになった」(30代女性・福岡県)、「好きなアニメのオープニングや音楽番組、レコ大などでよく見る、耳に残るいい曲。バラエティで見る彼ら自身の人の良さ」(20代女性/宮城県)、「バラエティにも出演されるようになって、メンバーにも好感を持ったので」(50代女性・千葉県)といったように、バラエティ番組出演をきっかけに、メンバーの人柄も浸透していき、新規ファン獲得につながっていることがうかがえる。

◆Snow Man:オールジャンルの個人活動からもファン獲得

 22年の調査で最も票を集めたSnow Manは、唯一、4回の調査すべてで上位5組に入り、毎年ファンベースを拡大していることがうかがえる。24年に新たにファンになった回答者の男女比は、男性10.1%:女性89.9%で、50代女性が最も多かった。

 冠番組や音楽番組のみならず、ドラマ、映画、ブランドアンバサダー、CM、雑誌などオールジャンルで引っ張りだこのSnow Manらしく、“入口”は多岐にわたる。「目黒蓮くんがドラマに沢山出ていたので」(40代女性/埼玉県)、「それぞれのメンバーが活躍していてテレビで見る機会が多くなったから」(50代女性/神奈川県)、「メンバー全員仲が良くて、さらに個人の仕事もグループの仕事も全力でがんばってる姿を見て、勇気をもらえるし、応援したいと思えたから」(40代女性/愛知県)などメンバーの個人活動をきっかけに“箱推し”(グループ全体のファン)になったという声も多く見られた。

 また、「ダンスのそろい方がすばらしく、パフォーマンスが唯一無二なダイナミックさがあるから」(50代女性/東京都)、「ダンスがかっこいい」(30代女性/北海道)、「激しいダンスや、アイドルらしい楽曲など、さまざまな魅力があるから」(20代男性/東京都)など、Snow Manの持ち味であるダンスパフォーマンス力に惹きつけられた声や、「YouTubeを見て、そこから仲の良さと面白さとパフォーマンスのギャップにやられた」(40代女性/三重県)、「みんな一生懸命で1人1人の個性が強いから」(20代男性/神奈川県)、「テレビ画面からだが一人一人の性格や人となりを拝見して素直に『友達にいたら良いなぁ』と心から思った」(40代男性/千葉県)といったメンバーの個性や人柄に惹かれた声も見受けられた。

◆こっちのけんと:サラリーマンが親近感と共感

 こっちのけんとは初めて上位15組に入った。新たにファンになった回答者の男女比は、男性46.8%:女性53.2%でほぼ半々で、最も多かったのは50代男性だった。「自分が歳を取ったこともあり最近アーティストはよくわからないがいろんな場面で聞くことが多く聞いていて心地よかった」(50代男性/青森県)、「曲作りのきっかけとして、人生に悩んでいたということに、親近感がわいた」(50代男性/山梨県)という声や、「ノリがよく、サラリーマンには共感できる歌詞」(40代男性/埼玉県)、「バックボーンや歌詞に共感でき。応援したいと思った」(50代女性/大阪府)、「自身の辛い体験を元に、あの楽しい楽曲に仕上げるのは、流石だと思います。今後の活躍に期待したいです」(50代男性/千葉県)など、双極性障害(躁うつ病)を公表し、向き合いながら活動していることへの親近感、共感などがキーワードに。

 また、昨年大みそかに初出場した『第75回NHK紅白歌合戦』や、最優秀新人賞を受賞した『第66回輝く!日本レコード大賞』効果もあり、「年末の歌番組で知りました。なんかするめ感覚で聞くたびに楽しくなっています。これからも楽しんで欲しいと思います」(50代女性/京都府)、「紅白で歌を聴いてから頭からはなれない」(30代男性/奈良県)といった声も寄せられた。

◆Number_i:ギャップ、生き様推しで新規ファン増

 平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太からなるNumber_iは2023年10月に結成、24年元日にデジタルシングル「GOAT」でデビューした。新たにファンになった回答者は、結成まもなくの調査となった前回比で約2倍に。男女比は、男性13.7%:女性86.3%で、最も多かったのは50代女性だった。

 好きになったきっかけは「元々は名前を知っているくらいの認識でしたが、デビュー曲のGOATを聴いてめちゃくちゃかっこよく、その後のリリース曲も好きな感じでファンになりました」(20代女性/東京都)、「天然な性格とパフォーマンスのギャップにやられた」(50代女性/福岡県)というギャップ推しや、「楽曲が唯一無二でかっこいいですし、ルックスも最強だから」(30代男性/神奈川県)、「デビュー曲のMVを見て、曲もビジュアルも何もかも、全てがかっこよくて、衝撃だったから」(30代女性/北海道)といった楽曲&ビジュアル推しも。「絶えず挑戦し続ける姿がカッコいいから」(40代女性/神奈川県)、「夢への道が1度絶たれても、諦めずに這い上がってきた、その情熱や生き様に感動、共感したから」(40代女性/埼玉県)といった生き様にも共感が集まった。

◆Vaundy:ドラマ主題歌「風神」で新規ファン増やす

 Vaundyは初めて上位5組に入った。新たにファンになった回答者の男女比は、男性23.6%:女性76.4%。最も多かったのは50代女性だった。きっかけは「楽曲」が41人、そのうち約半数の19人が、TBS系で24年10月期に放送された柳楽優弥主演ドラマ主題歌としてVaundyが書き下ろした「風神」を“入口”にあげた。「知ってはいたが、ドラマ『ライオンの隠れ家』の主題歌でかなり好きになった」(50代男性/静岡県)、「TBS系金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』の主題歌に起用されていたから」(40代男性/東京都)、「ドラマの主題歌である『風神』が大好きで、ほかの曲も聴いてみたらお気に入りの曲が増えた」(50代女性/宮崎県)との声があがった。

 また、「Number_iの平野紫耀くんの初ソロ曲をプロデュースしてくれたことがきっかけです」(30代女性/東京都)、「NewJeansのミンジがVaundyの『踊り子』を歌っていて興味を持ったから」(20代女性/東京都)、「韓国のミュージシャンがカバーしているのを見て」(50代男性/山形県)など、他アーティストをきっかけに興味を持ったという回答もあった。

■【調査概要】「2024年に好きになったアーティストに関する調査」
調査対象:オリコン・モニターリサーチ会員 全国10~50代男女
サンプル数:4949人。そのうち、2024年に入って好きになったアーティストが「いる」2058人が本調査対象
調査機関:2025年2月3日(月)~2月10日(月)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

※集計データの構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります
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