俳優の南沙良が主演を務める映画『愛されなくても別に』（7月4日公開）の予告編、キービジュアル、オールキャスト、主題歌が13日、発表された。

【写真】南沙良＆馬場ふみかが寄り添うキービジュアル

　原作は、『響け！ユーフォニアム』で知られる武田綾乃による同名小説。父を早くに亡くし、浪費家の母親から経済的虐待をうけている主人公・宮田陽彩を南、親から売春を斡旋（あっせん）される陽彩の同級生・江永雅を馬場ふみかが演じる。

　今回解禁されたキービジュアルは、経済的・精神的虐待など、それぞれが違った苦しい環境に身をおきながら、社会に負けず必死に自分らしく生きようとする2人が寄り添いながら強いまなざしを見せる姿が映し出され、2人のまなざしが訴えかける強い気持ちが何なのか、そして何に対してなのかという想像を掻き立てられるビジュアルとなっている。

　予告編は、経済的虐待をうける主人公の陽彩、親に売春を斡旋される江永雅に加え、過干渉な親から精神的虐待うける木村水宝石（あくあ）も登場する。陽彩、雅、水宝石、それぞれに違った形で親からの虐待を受けている。親の援助を受けている水宝石に対し、経済的虐待をうけている陽彩から見れば“甘い”と毒づいてしまうが、「不幸って他人と比較できることじゃなくない？」と切実な思いを訴える水宝石のまなざしにはっとさせられる。

　幸せも不幸も主観であって、人と比べることなどできない。不幸比べをしても何も変わらない。子どもには親の愛が必要かもしれない。しかし、「愛している」という言葉で言葉を縛りつけ、子どもを操り人形のように扱う親など必要なのだろうか。「クソみたいな世界で、わたしの人生を、生きる」、そう覚悟して突き進む3人の姿に、苦しみの先に見出すであろう自由を感じさせる爽快感の残る予告編となっている。

　宮田陽彩＆江永雅と同じ大学に通う水宝石は、本田望結が演じる。過干渉な親に育てられ精神的虐待を受けていたため、親の支配下から逃れるよう、新興宗教にはまっていく。

　陽彩＆雅のアルバイト先であるコンビニの同僚・堀口順平は、基俊介（IMP.）が演じる。アルバイト代を生活費や学費にあてる陽彩とは対照的に、留年した上におしゃれやギャンブルにつぎ込んでしまう。雅の父親が殺してしまった被害者の遺族・大山幸太郎を伊島空が演じる。父親を殺された復讐のため、雅に近づく謎の男である。

　福岡で暮らしている水宝石の母・木村美佐子は、池津祥子が演じる。水宝石の行動を監視するように、日々大量の電話をする。水宝石が心配になり、上京してくる。河井青葉が演じる陽彩の母・愛は、会社員だが、浪費家。現在は10歳下の彼氏がいるが、浪費がやめられず、娘のアルバイト代も使ってしまう。家に彼氏を連れ込むなど欲望のまま生きている。

主題歌はhockrockb「プレゼント交換」に決定。今作のために書き下ろされた。Hockrockbは「見かけも性格も違うけど心の根っこが似ている者同士が2人だけの共通言語のようなものを使って支え合っていく様子、映像の瑞々しさ、同時にただようほのかなさびしさを織り込んだ楽曲です。大切な人を思い出す、やさしい時間になるといいなあと願っています」とコメントを寄せた。

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