「ペンギンが原因でヘリが墜落」 南ア航空当局、1月の事故で指摘

2025/04/13 19:49 

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 南アフリカで今年1月に起きたヘリコプターの墜落事故を巡り、現地の航空当局は、ヘリがペンギンを運んでいたことが事故を招いたとする報告書をまとめた。ペンギン1羽を入れた段ボール箱が操縦用のレバーに触れ、機体が大きく傾いたという。

 南ア民間航空局が4月5日付で報告書を作成した。それによると、ヘリはパイロットと専門家ら計4人を乗せ、南部バード島の航空調査のために飛行していた。

 島から離陸する際、乗員の一人がペンギン1羽を持ち帰りたいと求め、パイロットは許可。ペンギンは箱に入れられ、乗員が膝の上に置いて抱えた。

 ところが、高度約15メートルまで飛んだところで箱が乗員の膝から右側に滑り落ち、機体の傾きを操作するレバーに接触。ヘリは急激に右へ傾き、回転翼が地面に激突して墜落した。幸い、乗員やペンギンにけがはなかった。

 報告書では、パイロットが離陸前のリスク評価でペンギンの存在を考慮していなかったと指摘された。ペンギンを適切な箱に収納しなかったことが事故につながったとしている。

 ペンギンを運ぼうとした理由については触れられていないが、AFP通信は、搭乗していた専門家が「(当該個体の)リハビリ」のために持ち帰ろうとしたと報じている。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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