長澤まさみ「全てに憧れを抱きながら演じた」謎多き天才女性絵師・葛飾応為とは 映画『おーい、…

2025/10/05 12:07 

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映画『おーい、応為』(10月17日公開)葛飾応為(長澤まさみ) (C)2025「おーい、応為」製作委員会

 俳優の長澤まさみが主演する映画『おーい、応為』(10月17日公開)より、長澤が演じる主人公・葛飾応為(おうい)に焦点を当てたキャラクターPVが解禁された。

【動画】映画『おーい、応為』応為キャラPV

 江戸時代に活躍した絵師・葛飾北斎の娘であり、その弟子でもあった葛飾応為は、現存する資料が非常に少なく、その実像はいまだ謎に包まれている。長身で家事が苦手ながら、筆を持てば父をも凌ぐと評された美人画を描き、型破りな生き様は「ミステリアスな女性絵師」として語り継がれてきた。

 今回の映像では、応為が火事を火事を「格好が良くて、綺麗でしょ」と見つめ、、代表作「吉原格子先之図」の着想を得る様子が描かれる。一度、夫と離縁して北斎の元に戻るが、北斎の門弟で売れっ子絵師・初五郎/魚屋北渓(大谷亮平)から「俺は好きだな、お栄ちゃんの美人画」と告げられ、淡い恋心に揺れながら生き方を模索する姿、弟分の善次郎(高橋海人※高=はしごだか)から「寂しくなったりしないのかい」と問われるシーン、さらに母・こと(寺島しのぶ)に「女は赤いものをつけると優しくなれるものだよ」と諭されるシーンなど、絵師としての才気と一人の女性としての孤独が交錯する姿が映し出されている。

 応為の作品には、光と影のコントラストが印象的な「夜桜美人図」などがあり、その多くが肉筆画であることも特徴とされる。浮世絵監修を務めた向井大祐氏と松原亜実氏は「光と影のコントラストや色彩感覚は北斎とは異なる独自性を感じる」「大量に複製される版画とは異なり、肉筆画が多く残されているのも応為の特徴。依頼や注文がなければ描かれない肉筆画を多く手がけていたこと自体が、彼女の確かな技量を物語っている」と評価。「女性だからではなく、一人の絵師として確立した存在。現代的なバイタリティを持っていた」と語る。

 本作を手がけた大森立嗣監督は「才能があるのに、さらに上をいく天才である北斎のそばで生きることを選んだ。その姿が描きたかった応為なんだと思う」と語り、主演の長澤は「知れば知るほど、味わい深い人物で、実際に彼女に会ってみたいと思った。絵や北斎に対しては、まるで人生そのものをかけているようで、勇ましく神々しい。その全てに憧れを抱きながら演じていた」と振り返った。

 応為は豪胆で自由な絵師であると同時に、恋に揺れ、時に傷つきながらも自身の信念を貫いた女性でもあった。その先駆的な生き様を、長澤が初の時代劇映画主演で体現する。


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