ジョージア統一地方選巡り大規模デモ 親ロシア政権勝利に反発

2025/10/05 09:24 

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 ロシアの隣国ジョージア(グルジア)で4日、統一地方選が行われた。中央選挙管理委員会によると、親ロシアの与党「ジョージアの夢」は全国で計8割超の得票率を得て圧勝した。野党の多くは政権の圧力で公正な選挙にならないとしてボイコットしていた。

 ◇EUとの溝、さらに拡大か

 首都トビリシでは、開票前後から野党支持者ら数万人がデモを実施。一部は大統領宮殿に侵入を図り、治安当局が催涙弾や放水で対応した。保健当局によると、デモ参加者と治安当局側の計27人が負傷した。

 現政権は親露に傾くと同時に強権的な統治を進めており、加盟を目指していた欧州連合(EU)との関係が冷え込んでいる。溝はさらに深まりそうだ。

 4日に実施されたのは、トビリシなどの主要5市長選や各地方議会選など。ジョージアの独立系メディア「シビル・ジョージア」などによると、事前に野党指導者が拘束や脅迫を受け、大半の野党は候補者擁立を見送った。全欧安保協力機構(OSCE)などの国際的な選挙監視団も派遣されなかった。投票率は40・93%で、前回(21年)の51・92%を下回った。

 コバヒゼ首相は、デモ参加者について「クーデター未遂に加担した。今後、予期せぬ事態に見舞われることを覚悟すべきだ」と警告し、厳しく取り締まる方針を示した。トビリシ駐在のEU大使も、デモを容認したとして批判した。

 ジョージアの夢は昨年10月の議会選で過半数の議席を維持したが、不正があったとして国内外から批判を受けていた。硬化したコバヒゼ氏は同年11月、EU加盟交渉を28年まで凍結すると宣言。親欧米派の市民らがトビリシなど各地で連日抗議活動を行っている。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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