“痩せ信仰”ある日本で異色のマンガがアニメ化、「痩せてきれいに」ならない“デブラブ”が北米…

アニメ『デブとラブと過ちと!』(C)ままかり/シーモアコミックス・アニメ『デブとラブと過ちと!』製作委員会

【漫画】顔は同じなのにビフォアフすごい!“ふくよか”主人公・夢子
■ありがち「痩せてきれいになって見返す」ではない、作品に大きな反響
主人公は、容姿のせいでコンプレックスの塊だった夢子。彼女が事故で記憶喪失になり、まるで人が変わるところから物語は始まる。以前は鏡が大嫌いだったのに、「これが…私…!? 超かわいい!」と超絶ポジティブに変貌。最初は戸惑う周囲も、彼女の度を越したポジティブさに吹き出しつつ、だんだんと見る目が変わっていく。仕事にも圭介との恋にも突き進む夢子にパワーをもらい、サスペンス要素にはハラハラ…など、魅了される読者は多い。
そんな本作は2019年にコミックの連載がスタート。コミックシーモアによると、「ドラマ化やアニメ化の話題の際は無料で読める範囲も拡大したが、『実際に読んでみてハマった!』という声が多数。最近では1話ごとでなく特装版(単行本版)で購入いただく方が多い」とのこと。
こうして幅広い読者に支えられた本作は、現在は累計1億2800万DLという大人気作に成長。コミック読者はもちろん、今回のアニメ視聴者からも「ポジティブ思考で人間はこんなに変わるんだ」「やる気が出た」「容姿で悩んでいたら絶対読んでほしい!」「“痩せてきれいになって見返す”パターンかと思ったら、太ったままなのが好感持てるし応援したくなる」など、大きな反響が寄せられている。
――いよいよアニメがスタートしましたが、動く夢子たちはいかがでしたか?
「いつもマンガを作る時に私の中でイメージしているものが、そのまま映像になって見えているという感じです。『本当にアニメになったんだなぁ』という実感と、それでいてどこか自分ごとじゃないような。新鮮で不思議な感覚です。マンガの見せどころをしっかり反映していただき、より印象的に仕上げてくださいました。あと、圭介がマンガより麗しい気がしてちょっと悔しいです(笑)」
――夢子を遠藤綾さん、圭介を内田雄馬さんが担当しています。
「声優さんに疎い私でもお二人のお名前と出演作はいくつか存じ上げておりましたので、信じられない気持ちでした。「本当に!? いいんですか!?」と。お二方とも実績と実力も素晴らしい声優さんですので、安心感と共にきっとキャラクターの魅力を引き出してくださること間違いなしと思います!」
――そして、2019年に連載を開始した原作コミックは、累計1億2800万DLという大人気作に。
「読者様から、SNSやお手紙などでのご感想や応援メッセージが増えて行ったことは大変嬉しく、とても力になりました。また、私がコミックシーモアで描かせていただくことになった当初、“恋するソワレ”で大人気連載中のカナエサト先生の『永久指名おねがいします!』が確かその時点で1億ダウンロードを突破されていて。『すごいなぁー』と思っていたので、まさか自分がそこへ行けただなんて夢のようでした。たくさんの編集部からお仕事のご依頼をいただき、現在はなかなか難しくお断りすることが多いのですが、そういう面でもデブラブは可能性を広げてくれたなと思います」
■カウンセリングがきっかけに、“ふくよか”なまま超絶ポジティブになるキャラクター
――人気の秘訣のひとつである、強烈な夢子のキャラはどのように考えたのでしょうか?
「もともとの性格が“コンプレックスを持った内向的な女性”という設定なので、コンプレックスを何にするか考えた時に、外から見てもはっきりそのキャラクターだと認識できるような特徴にしようと色々考え、結果“ふくよか”ということに決まりました。ですが、最初のネームでは私もまだ手探りで振り切れておらず、担当さんに『ちょっと夢子のデザインが中途半端なのでもっとやっちゃいましょう』とご提案いただき、現在の夢子が誕生しました」
――そんな夢子ですが、ある事故をきっかけに超絶ポジティブに。読者からは「ポジティブ思考で人間はこんなに変わるんだ」「真似したい!」「容姿で悩んでいたら絶対読んでほしい!」など、大きな反響が。
「デブラブを読んでクスッと笑ったり、色々あるけどとりあえず明日も生きるか〜と思っていただけたらとても嬉しいです。ポジティブを押し付けるのではなく、自分のことが好きになれない方や、今幸せと思えない方のことも否定しないスタンスでいたいと思っています」
――ここまでパワーのある言動はどのように生まれたんでしょう?
「やはり、以前受けたカウンセリングでの“認知の歪み”や“発想の転換”みたいなものから来ていると思います。よく言う“ピンチをチャンスと捉える”みたいな。毎度、夢子ならここで何て言うだろう?と頭を捻っています。あとは担当さんに相談したり、今まで会った人たちからの響いた言動なども参考にしています」
――反響の中には、「ありがちな“痩せてきれいになって見返す”パターンかと思ったら、太ったままなのが好感持てるし応援したくなる」との声も。
「仮に“痩せてきれいに”なった夢子に対して、手のひら返しでチヤホヤするような圭介や玉ちゃんたちの何を描いていいかわからないですし、外見で日々ジャッジされ続けている女性読者に対して“痩せれば愛される”というような嘘は言いたくありませんでした。痩せている方を否定しているわけではなく、“痩せてきれいになる”は違うよな、と。外見はその人が持っているたくさんの魅力の一つにすぎないと思います」
――本作は北米でも、“ボディポジティブ”のメッセージとして高く評価されているそうですね。
「 『そこなんだ』というのが率直な感想です。日本の読者の方は概ね夢子の言動に注目して楽しんでおられるようでしたし、私もそこは夢子の魅力の一つであると思っています。先に述べたキャラデザで、夢子のコンプレックスを例えば“あがり症”、“声が低い”などにしていたら、北米の方の反応も変わっていたのかも知れません」
――北米での人気についてはどう感じましたか?
「もともと、シャイで内向的な人が比較的多い日本人に向けて描いたものが北米の方にウケるのだろうか?という懸念がありました。でも、ボディポジティブという角度で注目して下さっていると聞いて、デブラブの思わぬ可能性を教えていただけた気がします」
■“痩せ信仰”が根強い日本、でも「コンプレックスは“共にあるもの”」
――一方、最近は「日本の女性は痩せすぎ」とも言われています。ですが本作を読むと、無理しないでも可愛くなれたり、自分を好きになれたりするヒントをくれるように思います。
「たしかに“痩せ信仰”はあると感じます。あくまで所感ですが、近年はSNSの普及で美容についての情報が身近になったことや、不安を煽る広告などの影響も関係しているのではと考えます。さらに痩せ薬のようなものがわりと簡単に手に入ってしまうのも問題だと思っていて、安全性などの懸念も無視できません。
私もダイエットの経験はありますし、体型の納得いかない部分も多々ありますが、コンプレックスは“共にあるもの”と捉えています。それもあっての自分なんだと気づいてからは、嫌いな部分にあまり執着しなくなったように思います。ですがそう思えるようになるには時間もかかりました。私も夢子を見習って、日々自分を褒めていきたいです」
――同じように思う読者の方も多いでしょうね。夢子のようにポジティブになれるコツは?
「何でしょうね…難しいですね。夢子を見ていると、“考え過ぎない”“相手のいいところを口に出して言う”“自分に都合のいいように捉える”“たとえ衝突するとしても意見は言う”…などをしていると少なくとも悲観的にはならないのかなと思います。ちなみに私にはすべて難しいことです」
――さて、そんな本作は以前ドラマ化もされ、今回アニメ化されたわけですが、期待することは?
「ドラマも素晴らしく、一視聴者として大変楽しく拝見していましたが、アニメはマンガとの親和性がより高いと思っているので、原作を読んでくださった方々にも楽しんでいただけるのではないでしょうか。アニメになることで、デブラブの新たな一面も発見できるのではないかと期待しています」
――アニメの制作の様子も見られたんですよね?
「キャラデザから背景美術、服の色など細かなところまで見せていただきました。当初は勝手に進んでいくものと呑気に構えていたので驚きましたが、とても楽しく貴重な経験でした。中でも一番心に残っているのは、なんと言ってもアフレコ現場を見学させていただいたことでしょうか。声優の皆様の素晴らしい演技に感動したのはもちろんのこと、当たり前ですがひとつのアニメを作るのには、クリエイターさんを初め大勢の人の力が集まってできているのだと実感し、感動しました」
――そしてコミックは現在75巻まで配信中で、夢子の事故の真相にも迫っていきます。今後の見どころは?
「事件の日のことが少しづつ明かされていきます。また圭介は何を隠しているのか、夢子との幸せな時間はこのまま続くのか…。どうぞヤキモキしつつ日常のドタバタも楽しんでいただけますと幸いです」
――本作の読者、またアニメで初めて知る方にメッセージをお願いいます。
「いつも応援ありがとうございます! お陰さまで夢のアニメ化が実現しました! アニメ第1話、皆さま楽しんでいただけたでしょうか? そしてアニメでデブラブを知ってくださった皆さま、初めまして。この機会にぜひマンガの方も読んでいただけましたら嬉しいです! アニメデブラブ、最後までどうぞお付き合いください」
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