『ばけばけ』北川景子、“ご縁がなかった”朝ドラオファーに驚き「若い頃、すごく出たくてチャレ…

2025/11/06 08:15 

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連続テレビ小説『ばけばけ』の場面カット (C)NHK

 俳優の高石あかり(※高=はしごだか)主演を務める、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土 前8:00 NHK総合 ※土曜日は1週間の振り返り/月~金 前 7:30 NHK BS、BSプレミアム4K)。雨清水タエ役・北川景子がコメントを寄せた。

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 北川演じる雨清水タエは、松江でも随一の名家に生まれ、大勢の女中たちに囲まれながら何不自由なく育ち、凛とした気品と厳しさを兼ね備えた女性。親戚であるトキ(高石)にも、礼儀作法やお茶など武家の娘としての教養を厳しく教えている。

■北川景子一問一答

――出演が決まった時のご感想を教えてください。
【北川】朝ドラにはご縁がないんだろうなと思っていたので、お話しをいただいた時は「えっ、朝ドラですか」とびっくりしました。若い頃、すごく出たくてチャレンジしていたので、とてもうれしかったです。
 ただ、今は子どもが2人いるし、撮影場所が東京ではなく大阪で。撮影期間も長いので喜びと同じくらい家庭と両立していけるのか不安があったのですが、夫やお互いの両親が協力すると背中を押してくれました。演出の村橋(直樹)さんは大河ドラマ『どうする家康』でもご一緒しました。一回ご一緒した方から声がかかるのはすごくうれしいです。タエの登場シーンは朝ドラというより大河みたいで、「あれ?朝ドラって聞いてたんやけどな」と思いました(笑)。1人で大河をしている感じも面白かったです。

――演じられる雨清水タエさんはどんな役どころでしょうか?
【北川】タエは自分が雨清水家の人間であることをすごく誇りに思っている、王道の武家の娘です。家を継ぐ人の支えとなって家を守っていくことへの誇りが強いので、そこは大事に演じようと意識しました。
 時代が変わり、夫の傳も亡くなって働かなくてはいけなくなりますが、突然言われても生活能力がないし、やり方が分からないし、そもそもやりたくもなかったのではないでしょうか。誇りを捨てて泥臭くお金を稼ぐなんて、タエにとっては死ねと言われたのと一緒。もし独り身だったら切腹していたはずです。でも、三之丞を野たれ死にさせるわけにはいかないので、食べさせていくために物乞いをして生きているんです。間違った形であれ、親としての愛情を持っているのもタエの魅力的だと思うので、そこをうまく演じられたらいいのかなと思います。
 長男を亡くし、次男は出奔。生きてくれている三之丞をなんとか立派に育てたい一心で、施しを受けても下げられなかった頭を下げられるようにもなりました。だけど、物乞いでも誇りを持つのはタダじゃないですか(笑)。なので、かっこ悪いかもしれないけれど、この先どうなったとしても誇りは捨てずに持ち続けようと思います。その誇りは三之丞にもどこかで持っていてほしいですね。

――印象的だったシーンについて教えてください。
【北川】第3週15回で三之丞に「手放した分愛おしくなるなら、だったら私も他所で育ちたかったです」と言われた時は、いかに間違った育て方をしていたのかを目の当たりにして愕然(がくぜん)としました。あんなに三之丞を追い込んでいたとは、親としての呵責(かしゃく)を感じましたね。傳さんの「何を言うんじゃ、三之丞」というセリフも台本よりずっと切実な響きを持っていました。
 三之丞役の板垣李光人さんは、彼が17歳で初共演した時から冷静で堂に入っていて中身が30〜40歳ぐらいの風情。今回はもう本当に三之丞としてそこに息づいているので、私は彼の表情や細かい芝居を殺さないように存在できたらと思っています。
 傳役の堤真一さんはずっとドラマで拝見していた方なので夫婦役なんて信じられませんでしたし、本当に光栄でした。初共演でしたが堤さんが合わせてくださったおかげで、傳とタエの連れ添った夫婦の雰囲気も出せた気がします。タエの方が家柄が上なので「傳」と呼び捨てにしていましたが、家々が決めた結婚だとしてもタエは本当に傳を愛していたことが台本の端々から感じられました。

――生みの親であるタエはトキに対してどんな気持ちだと感じられていますか?
【北川】あの時代なのでトキについてはもう気持ちが割り切れていると思います。子どもが生まれない家にはたくさん生まれたところから渡し、家の力を強くすることが大切だとタエも教えられてきたはず。過去に私が演じてきた武家の娘もそうでした。傳さんも死に際に「わしとおタエの子ではない」と明言していましたし、タエもその通りだと思っているのではないでしょうか。もちろん母性やトキを手元に置いておきたい気持ちもあったと思いますが、松野家を途絶えさせるわけにもいきません。愛情を持って育ててくれる親族にお渡しした以上は口出ししないのがルールですし、おフミさんに失礼になるので「産んだお母さんは私」という空気だけは出さないように気にしながらやっていました。

――『ばけばけ』の見どころと視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
【北川】ふじきみつ彦先生の脚本は深く描く部分と跳ねる部分のバランスが良く、真剣にやるところはやるし笑わせるところは笑わせるので、そのメリハリがとてもおもしろい作品になっていると思います。
 豪華すぎるおばという感じで登場したタエは物乞いとなりましたが、やはり人間は危機に直面したときの生き方が大事。死にたいところを死なず、タエなりに諦めず、自分と向き合いながらなんとか生きようとする姿、そして息子を生かせようとする姿を見守っていただけたらうれしいです。この先どんな話になるかまだ私にも分かりませんが、タエと三之丞の親子関係にどこかで雪どけが来ることを信じながら頑張ります。
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