西川美和監督『わたしの知らない子どもたち』トロント映画祭コンペ部門選出、オープニング上映決…

2026/07/22 09:00 

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新人・小八重葵美×二階堂ふみW主演、西川美和監督の新作映画『わたしの知らない子どもたち』(10月16日公開) (C)2026 K2 Pictures

 西川美和監督の最新作『わたしの知らない子どもたち』(10月16日公開)が、カナダで現地時間9月10日から20日まで開催される「第51回トロント国際映画祭(TIFF)」のプラットフォーム部門(コンペティション)に正式出品されることが決定した。さらに、日本映画として初めて同部門のオープニング上映作品に選ばれた。

【動画】『わたしの知らない子どもたち』特報

 本作は、『すばらしき世界』『永い言い訳』で知られる西川監督が原案・脚本・監督を務める完全オリジナル作品。約500人のオーディションを勝ち抜いた新人・小八重葵美(こやえ・あみ)と、二階堂ふみがダブル主演を務める。

 トロント国際映画祭(TIFF)は、北米最大規模を誇る映画祭。最高賞が観客の投票によって決まる「観客賞」(ピーブルズチョイス・アワード)を採用しており、ここでの受賞作がその後の米アカデミー賞の最有力候補に直結することから、“アカデミー賞の行方を占う世界で最も重要な前哨戦”として、世界中の映画業界や主要メディアから熱い視線が注がれ続けている。

 本作が出品されるプラットフォーム部門は、2015年から新設された唯一のコンペティション部門であり、観客賞の対象にもなっている。さらに、今年から最高賞「プラットフォーム・アワード」受賞作には米アカデミー賞国際長編映画賞への応募資格が付与される。

 同部門のオープニング上映作品は、「この部門のレベルの高さを世界に証明し、プログラム全体のトーンを決定づける最重要作」という位置づけで、本作への期待の高さを示す結果となった。

 本作のワールドプレミアの場となる上映は、映画祭初日の9月10日(現地時間)に、映画祭の拠点「TIFFライトボックス」内の最大規模のシアターで行われる予定だ。

 この一報を受け、主人公・琴子を演じた小八重は「西川監督やたくさんのスタッフが頑張って準備してきて、撮影もみんなで一緒に頑張ってやってきたので、いろんな人に見てもらえるのはすごくうれしいです」と喜びを語った。

 二階堂は「映画祭は国を越えて、映画という一つの文化を共有できる場所だと思います。対立ではなく、想いを寄せ合えるような作品になると思います」とコメント。「世界中で争いが続く今、それぞれが"戦争"についてさまざまな思いや考えを持って、この作品を観てくださると思います」と、本作が持つ普遍的なテーマへの思いを明かした。

 西川監督も「お知らせを聞いた時は『やったー!』と飛び上がりました。素敵な映画祭なので、私たちの作品を持っていけるのがとてもうれしいです」と喜びを伝え、「子どもから大人までみんなが総力を挙げて挑んだ作品ですし、日本の映画人の"力の結晶"のような仕上がりになっています。世界の人にも作品のクオリティを味わっていただきたい」と期待を寄せた。

 本作は戦後の日本を舞台に、戦争で家族も居場所も失い、生き延びるために"少女"であることを捨て少年として生きることを選んだ12歳の少女・琴子と、敗戦によってすべてを失った教師・曽根の再生を描く物語。戦後日本の知られざる子どもたちの実話に着想を得て、西川監督が長年温めてきた企画だ。

 教師・曽根役を二階堂が演じるほか、音楽は『国宝』などで知られる原摩利彦、VFXは『ゴジラ-1.0』で米アカデミー賞視覚効果賞を受賞した白組が担当。世界を舞台に、新人・小八重葵美の鮮烈なデビュー作としても注目を集めそうだ。

■コメント一覧

▼原案・脚本・監督:西川美和
 お知らせを聞いた時は、「やったー!」と飛び上がりました。過去にもトロント国際映画祭へ3度招待いただいているのですが、プラットフォーム部門への参加は初めてです。前作は、2020年のコロナ禍での選出だったので、日本からオンラインでしか上映の様子も分からなかったのですが、今回は現地に赴きオープニングに参加できるということでたいへんうれしいです。“コンペ”部門は光栄ですが、きっと今年の各国の優れた映画が集まると思うので、それに出会えるのもまた楽しみです。トロント国際映画祭はとても大きな映画祭であるとともに、カジュアルで、北米中の映画人たちと街の人たちとが、街の劇場でたくさんの映画を観る、素敵な映画祭なので、私たちの作品を持っていけるのがとてもうれしいです。

 今回の作品は子どもから大人までが総力を挙げて挑んだ作品ですし、日本の映画人の”力の結晶”のような仕上がりになっているので、世界の人にも作品のクオリティを味わっていただきたいなと思います。映画は、「字幕がつけばどこまででも渡っていける表現」だと思います。私も隅々まで監修した英語字幕付きのものを、トロントで上映してもらいますが、映画を見てもらうことで国同士の壁が低くなって、よく知らなかった国の人たちとも対話ができたりするようになるんですね。海外の人からすれば、日本の戦中・戦後の物語は身近ではないと思いますが、同時に戦争がたくさん起きている今の世界状況で、みんなが共通に抱いている不安や、どこの場所にも子どもたちがいるということを、もう一度思う契機にもなる内容だと思うので、ぜひトロントでたくさん人と言葉を交わして、友達を作ってきたいなと思います。

▼茅野琴子役:小八重葵美
 トロントってどこだろう?と最初は思ったけど、調べたらカナダでした。
 映画祭は初めてなので、すごく緊張しますが、今までのいろんなことを思い出しながら、落ち着いて話せたらいいなって思っています。撮影した時間は3ヶ月だったけど、その前にも、西川監督や、たくさんのスタッフの方々がいろんなこと調べて、頑張って準備してきてくれて、撮影もみんなで一緒に頑張ってやってきたので、いろんな人に見てもらえるのはすごくうれしいです。

▼曽根文美子役:二階堂ふみ
 西川監督と小八重葵美ちゃんが中心となって、みんなで頑張った作品が、日本から外に出て、多くの方の観ていただけるというのは、本当に光栄だなとも思いましたし、すごく良いことだなと思いました。
 本当に1人でも多くの方々にこの作品が届いてほしいと脚本を読んだときからずっと感じていたので、良かったなと思いました。
 映画祭って国を越えて、映画という1つの文化を共有できる場所だと思うので、そういう場所で対立ではなく、想いを寄せ合えるような、そういう作品にきっとなるんじゃないかと思います。いま世界中のいろんなところで争いが続いている中、みんなそれぞれの”戦争”というものに対して、様々な思いや考えを持って、きっとこの作品を観て下さると思います。観てくださる方々にも私たちも思いを寄せて、お届けすることができたらなと思いますし、きっと皆さんがいろいろなものを感じ取ってくださる作品になっていると思うので、本当に多くの方に届いてほしいです。
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