「しゃべれるか」ではない命の鼓動を やまゆり園の映像作品完成

2026/07/22 08:15 

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 相模原市の県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件から26日で10年になるのを前に、同園の取り組みと利用者らの「心の声」を題材にした映像作品が完成した。障害のある作家らの作品を知的財産と捉え、商品化などの事業を推進する「ヘラルボニー」が県の受託事業として制作した。事件を風化させず、障害のある人々への理解を広げるのが目的だ。

 タイトルは「ハートビート・ボイス 津久井やまゆり園事件から10年、心の声を聴く」。利用者の生活から生じる音と、胸の内にある「心の声」に視点を置いた約30分の作品だ。音楽家の蓮沼執太さん(42)が利用者たちの息づかいや足音、気配などを収音し、それらをもとに楽曲を創作。園内での作業、掃除や洗濯など日常の風景と組み合わせた。

 監督した同社のクリエイティブディレクター、桑山知之さん(36)は元東海テレビの報道記者。「植松聖死刑囚が犯行に及んだ背景には『しゃべれるか、そうでないか』という線引きがあった」と桑山さんは言い、「人には発語の有無にかかわらず心の声がある。そうした、いわば命の鼓動を生活の音からとらえようと試みた」と説明する。

 同園で15日にあった先行上映会では、利用者らがスクリーンに映し出された自分たちの姿を見つめ、発する音に耳を傾けた。永井清光園長は「利用者のみなさんが懸命に生きていることが伝わる映像だ」と感想を述べた。

 同作品は26日、県の公式ユーチューブチャンネル「かなチャンTV」で公開される。園の正面玄関前の広場には鎮魂のモニュメント(慰霊碑)があり、この日は一般献花日となっている。前日の25日は犠牲者の追悼式が相模原市立あじさい会館で行われる。【明珍美紀】

毎日新聞

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