神奈川県警、薬成分の違いに気づけず自殺判断 承諾殺人事件巡り

2026/07/21 21:01 

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 女性2人への承諾殺人罪などでさいたま市の男性が有罪判決を受けた事件で、神奈川県警は21日、被害女性1人を当初自殺と判断したことに関し、当時の経緯や再発防止策を明らかにした。女性に処方されたものとは別の睡眠薬成分が検出されていたのに、違いに気づけなかったと正式に公表。県警は改めて捜査の不備を認め、「遺体の状況や遺書の存在から自殺との先入観が生まれた」とした。

 17日のさいたま地裁判決によると、無職の斎藤純被告(32)は2015年に横浜市の女性(当時22歳)宅で、女性の同意を得て睡眠薬で眠らせ、ベルトで首を絞めて殺害。18年には茨城県の女性(当時21歳)を同様の方法で殺害した。被告は懲役10年の判決を受けた。

 ◇「処方薬に対する知見乏しかった」

 神奈川県警は当時、横浜市の女性について事件性を見抜けず自殺と判断。その後の埼玉県警の捜査で承諾殺人事件の疑いが浮上した。初公判後の26年3月、幹部が遺族と面会して謝罪していた。

 神奈川県警は、当時の捜査員への聞き取りや記録などをもとに経緯を調査。女性が処方され、常用していた睡眠薬とは別の種類の睡眠薬の成分が検出されたが、捜査員は成分の違いに気づけなかったという。県警は「当時の簡易的な毒薬検査は違法薬物の使用の有無を主眼としており、処方薬に対する知見が乏しかった」と説明した。

 ◇防犯カメラなく、掘り下げて調査せず

 また、女性が死亡した数日後、遺族は女性宅に入ろうとする被告本人とみられる男性を目撃。「不審な男が逃げた」と県警に伝えたが、県警は「周辺に防犯カメラがなく、掘り下げて調査しなかった」と認めた。

 県警は「他者の介在を疑う事情があったにもかかわらず、見抜くことができなかったことを大変重く受け止めている」とコメントした。再発防止策として、第三者の関与を慎重に検討して捜査すると表明。捜査員に対し「基礎捜査や自殺関与、承諾殺人罪を念頭に置いた捜査の徹底について繰り返し教養を行う」とした。【清水夏妃】

毎日新聞

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